給湯設備をガスから電気に変えるなら、一緒にキッチンも電気に変えてオール電化にしたいと思っている方も多いと思います。
今人気のエコキュートですが、導入するためにオール電化にすると実はいくつか弱点があります。エコキュートを導入した時のデメリットをあなたはちゃんと知っていますか?
購入後に後悔しないために本記事では、エコキュートのデメリットや導入する時に気をつけるべきポイントをご紹介いたします。
目次
エコキュートのデメリット
エコキュートを導入するデメリットはこのようなことがあります。
初期費用がかかる
エコキュートを設置するためには初期費用がかかります。本体価格、工事費用ともに通常のガス給湯器の取り付けより高くなる傾向があります。
お得にエコキュートを取り付けるためには本体価格と工事費が一緒になったお得なプランを選択することをおすすめします。
貯湯タンクのスペースが必要
エコキュートは電気代の安くなる夜にお湯を作り置きするため貯湯タンクが必要です。通常は外に設置するので、ベランダや庭にタンクを置くスペースを確保しなければいけません。
お湯切れ
エコキュートは一日に使うお湯を、夜にまとめて作るので急にたくさんお湯を使うとタンクのお湯を使い切ってしまう可能性があります。購入の時に家族の人数やライフスタイルを考えてタンクのサイズを選ばないと光熱費が高くなってしまいます。
入浴剤が使えない?
エコキュートのついたお風呂は追い炊き機能がついているのでバスタブとエコキュートとお湯が循環しています。
そのため配管の汚れやセンサーの故障を起こす可能性のある入浴剤は使用できません。最近は一部のメーカーの入浴剤での試験が行われ、使用できるようになっていますが、海外製のおしゃれなバスソルトなどは使えないことも。
室外機の騒音
エコキュートは基本的に深夜に稼働します。そのため、室外機の場所によっては音が気になります。音の大きさはエアコンの室外機と変わりませんが、夜には周囲が静かな分うるさく感じます。
寝室の近くや近隣住民の迷惑になる場所に設置してしまうと睡眠の妨げになってしまう可能性があります。エコキュートを設置の際は防音材などで防音対策が必要になります。
エコキュートのメリット
デメリットがあっても使いたくなる、エコキュート導入のメリットはこちらです。
光熱費が安くなる
エコキュートは夜の安い時間帯の電気を効率的に利用するため電気代が通常の給湯器より安くなります。また、家全体をオール電化に切り替えればガス代の基本料金もかからないのでより光熱費を安く抑えることが出来ます。
床暖やミストサウナがつけられる
エコキュートは給湯以外にオプションで床暖房やお風呂にミストサウナをつけることが出来ます。家で過ごす時間がより楽しくなる機能があります。
火事になりにくい
オール電化にすると火を家で使わなくなるため火事になりにくいです。高齢の家族がいると火のつけっぱなしなどの不安がありますが、エコキュートをはじめオール電化ならタイマー設定などができるので安心して家族みんなが利用できます。
またオール電化にすると火災のリスクが下がるので保険会社によっては火災保険の金額が安くなることもあります。
非常用の水として使える
地震など急な災害でライフラインがストップしたときには、エコキュートの貯湯タンクのお湯は非常用の水として取り出して使用できます。
水道が止まってしまったときに水が確保されているととても心強いです。また災害の起きたときに水道・ガス・電気の中で電気が一番復旧が早いとされています。
環境にやさしい再生可能エネルギー
エコキュートは大気の中にある熱エネルギーを利用してお湯を作り出すヒートポンプ方式を採用しています。そのためほかの給湯器よりも少ないエネルギーでお湯を作ることが出来るため環境にもやさしい商品として人気です。
エコキュート・オール電化ってそもそもなに?
今更聞けない、エコキュート、そしてオール電化とはいったい何なのか。ここで分かりやすく解説しましょう!
エコキュートとは?
エコキュートとは、何かと聞かれたときにエコな給湯器と答える人が多いですが、エコキュートは本当は自然冷媒ヒートポンプ給湯器といいます。
通常の電気給湯機は貯湯タンクの中にヒーターが入っており、電気の熱で温めてお湯を作りますがエコキュートは違います。
自然に優しいヒートポンプ
エコキュートがお湯を作る仕組みは、室外機から空気を取り込みその空気を圧縮してお湯を沸かすエネルギーを作り出します。
大気には熱エネルギーが含まれており、その熱エネルギーをエコキュートに取り込み、ぎゅっと圧縮することでお湯を沸かしています。
電気は空気を圧縮するときに使用するだけなので通常の電気給湯機よりも少ない電気でお湯を作り出せることと、再生可能エネルギーである空気の熱エネルギーを使っているのでエコな商品として評価されています。
夜の安い電気を利用した経済的な給湯器
エコキュートはお湯を作る時間もほかの給湯器とは異なります。電気代は一日のうち深夜が最も安い設定がられています。
その安い時間帯にまとめてお湯を作ってしまうのがエコキュートです。そのため光熱費の3分の1を占める給湯器の使用量が安くなり電気代の節約になります。
オール電化とは?
最近よく耳にするオール電化ですがあなたはご存知でしょうか。オール電化とは、家で使う熱源をすべて電気に統一することです。
具体的には給湯・冷暖房・キッチンなど、ガスや石油などを使っているところを電気だけにします。メリットとしては夜の安い電気を有効活用しており光熱費が安くなることです。
また、火を家の中で使わなくなるので火災のリスクを減らすこともできます。オール電化にするとコンロや給湯器などの温度設定やタイマー設定もパネルで簡単に行うことができ誰でも簡単に操作できるようになります。
エコキュート導入に気をつけたいこと
いざエコキュートの導入を決めたときに気を付けたいことはこちらです。
貯湯タンクの大きさ
エコキュートを選ぶ際に一番失敗してはいけないのが貯湯タンクの大きさです。
タンクの大きさが大きくなればなるほどエコキュートの値段が高くなってしまうので、なるべく小さいものを買おうとしてしまいがちですが、普段使用するお湯の量ぎりぎりのものを購入してしまうと家族が増えたり来客が多くなったりしたときに頻繁にお湯切れしてしまうようになります。
エコキュートの寿命は10年以上とも言われています。長い目でライフスタイルの変化を考えてタンクの大きさを選ぶようにしましょう。
エコキュートのメンテナンス
エコキュートは初期費用がかかる商品です。少しでも長く使うためには日々のメンテナンスが非常に大切です。
数か月に一度はタンクのお湯をすべて抜いてきれいにしたり、2・3年に1度は電気系統の点検をプロに行ってもらうようにしましょう。こうした日々のメンテナンスを行うことで故障が起きにくくなります。
電気料金のプラン選び
エコキュートにすると深夜の電気をメインで使う電気料金プランを選択する家が多いと思います。とくにオール電化になると購入の時にそのまま言われたオール電化用の電気プランに加入すると思います。
ここで気を付けなければならないのが、深夜の電気代が安いプランのほとんどは昼間の電気代が高くなることです。
電力自由化により電力会社も選べるようになっていますが、何時~何時までの電気代が安いのか、また高くなるのかを把握して電気を使わないと、安くなるはずの光熱費がむしろ高くなってしまうことになります。
どこの会社のプランが自分たちのライフスタイルに合っているのを考えて選択するようにしましょう。
ライフスタイルに合ったものを選ぼう
エコキュートをはじめとするオール電化は一度使ってみるととても快適です。しかし、オール電化にも弱点がありますし、人によっては今まで通りのガスと電気のある生活の方が向いている場合もあります。
周りがいいと言ってるものを使うのではなく自分のライフスタイルに合ったものを選ぶことが大切です。今回はエコキュートのデメリットや注意すべき点をご紹介しました。
事前に問題点が分かっていれば購入後あとから不便に感じて後悔することがないと思います。オール電化になると光熱費が一本化され管理がしやすくなったり、子供からお年寄りまで操作が簡単になったりと、メリットもたくさんあります。
初期費用はかかりますが、将来を考えて長い目で見たときにうまく利用すればオール電化は経済的で生活が豊かにしてくれることでしょう。