エコキュートの寿命は約10年ほどと言われていますが、正しいメンテナンスを取り入れて定期的なメンテナンスを行っていくことでさらにプラス5年ほど寿命を延ばすことができます。
この寿命は10~15年という年数は、定期的にメンテナンスをして丁寧に扱っていた場合のものであり、もし適切なお手入れを行わなければエコキュートの寿命はもっと短いものになってしまいます。
エコキュートは導入費用が比較的高額なため、一度導入したらできるだけ長期間使用していきたいと考えるのは当然ですよね。
今回は、エコキュートの平均寿命からプラス約5年寿命を延ばして使用していくための正しいメンテナンス方法と使用方法をご紹介していきます。本記事を参考にしてみてください。
目次
正しいメンテナンス方法
ここでは、正しいメンテナンス方法とメンテナンスを行うべきカ所を解説していきます。
浴そうフィルター
浴そうフィルターの汚れや不純物の詰まりを掃除しましょう。浴そうのフィルターを取り外して、ブラシを使って水洗いし汚れを落とします。
風呂に入る場合には、お風呂から出る前に軽く掃除することも可能ですから掃除の頻度を増やすためにもお風呂を使うたびに日常的にこまめな清掃を行うと良いでしょう。
風呂配管
浴そうとエコキュートの間には風呂配管があり、使用中で配管の中にお湯の流れがあるときは、汚れがつきにくいのですが、止まっているときは水が溜まり、汚れがつきやすくなります。
通常は自動洗浄機能がついていますが、自動洗浄機能がついていない場合などは手動でしっかりと洗浄しましょう。頻度としては、半年に1回洗浄剤を使って、風呂配管の汚れを取り除くようにしましょう。
洗浄剤はメーカーに指定されている可能性がありますので確認したうえで洗浄剤を使うようにしましょう。
貯湯タンクの水抜き
メーカーによって多少手順は異なりますが、一般的な水抜きの手順をご紹介します。タンク内の給水を止めるために給水配管専用止水栓を閉じ、貯湯タンクにある空気の逃し弁を開けます。
汚れを排水するために排水栓を開けて、汚れなどが出なくなってから排水栓を閉じます。止水栓を開き、タンク内が満タンになるまで給水し、溢れた水は排水口から排水されます。
排水口から水が出たら逃し弁を閉めて、終了です。年に2~3回程度、排水栓を開けて1~2分間程度水抜きメンテナンスをすることで、長い期間快適に使用することができます。
ヒートポンプの空気抜き
ヒートポンプユニットを少しでも長い期間使用していくためには、貯湯タンクと同じように空気抜きメンテナンスがとても大切です。
ヒートポンプユニットの空気抜きの理想的なメンテナンス頻度は年間2~3回程度とされています。一般的な手順は以下の通りです。
ヒートポンプユニットの水抜き栓をすべて開き、水抜き栓は抜かずに、ヒートポンプから1分間以上水が出ることを確認し、すべての水抜き栓を閉じて終了です。
上記では一般的な手順をお伝えさせていただきましたが、メーカや機種によって多少手順が異なる場合がありますので、取り扱い説明書を十分に確認してから行いましょう。
漏電ブレーカーの点検
点検口のカバーをネジを緩めて開き、漏電遮断器のテストボタンを押します。電源レバーが「切」表記になっていれば正常です。電源レバーを「入」に戻して、完了です。
※メーカや機種により工程が変わる場合がありますので詳しくは説明書をご覧ください。
逃し弁の点検作業
逃し弁の点検作業は、沸き上げ時にタンク内の膨張水を排出し、タンク内が高圧になるのを防ぎます。逃し弁のレバーを上げてタンク排水管からお湯または水が出ることを確認してください。
逃し弁レバーを上げて、排水口からお湯または水が排水されることを確認したら、逃し弁レバーを戻す動作確認をしましょう。
※メーカーや機種により工程が変わる場合がありますので詳しくは説明書をご覧ください。
エコキュートのにおい
エコキュートを設置後、初めてお湯を使用するときに配管工事の際の油のにおいがお湯に混ざって出てしまう場合があります。
約1か月程度でにおいは消えると思いますが気になる場合は、タンク内の水を一度、タンク内の水をカラにして入れ替えてから使用するようにしましょう。
また、ドレン配管の設置場所が原因の場合があります。貯湯タンクのドレン配管が、生活雑排水の排水管に結ばれていると、貯湯タンクに汚臭が入り込んでエコキュートのお湯が臭くなってしまう恐れががあります。
エコキュートの寿命を伸ばす為にできること
長期間の旅行などで、長く家を空けてエコキュートを使用しない場合は、電源を切っておきましょう。また、1ヶ月以上使用しない時は、貯湯タンクのお湯をすべて排水しておくようにしましょう。
ヒートポンプの吸込口、吹出口を塞がないようにするために周りには余計な荷物などを置かないようにしましょう。
メンテナンスをしないとどうなってしまうのか
エコキュートは水をお湯に変えているだけなのでタンクや配管が汚れることはないと思う人もいらっしゃるかもしれませんが、水道水は純水ではなく、様々な不純物が含まれていて、その不純物が沈殿物としてタンク内に溜まってきてしまいます。
またそのお湯をお風呂に使用している場合は、その汚れがフィルターに詰まってしまいフィルターだけでなく配管などを通してエコキュートの状態も徐々に悪くなってきてしまいます。
貯湯タンクの排水メンテナンスを知らないでそのまま使っていたご家庭で、湯船に不純物が浮いてきて初めて貯湯タンクが汚れていることに気づくという場合もあるようです。
フィルターに汚れが詰まってしまうと追いだきに時間がかかってしまったり、追いだきができなくなったりしてしまう可能性がありますのでフィルターの汚れも定期的にチェックしましょう。
エコキュートを正しい使用方法で使おう
お風呂場
リラックスして入浴したいときなどに使われることの多い入浴剤ですが、実は浴槽まわりの材質などによってはミルク成分配合のものや硫黄、酸、アルカリ、塩分を含んだものが傷めてしまう原因にもなるので使用しないほうが良いとされています。
エコキュートと合わない入浴剤を使用すると、不具合が起こってしまったり故障の原因になってしまったりしてエコキュートの寿命を早める原因になる場合があります。
また、各メーカで使用できる入浴剤を指定している場合がありますので、説明書などを確認して使用できる入浴剤を使うようにしましょう。
エコキュートの床暖房
エコキュートの床暖房は温水式と呼ばれるタイプで、効率の良いエコキュートで沸かしたお湯を床下のパイプに循環させて暖める仕組みです。
効率が良く、基本的に安い深夜電力でお湯を沸かし、その温水を床暖房に使うため、光熱費のコストを抑えることができるのが特長です。
冷えやすい足元からしっかり暖めます。足元が暖かければ部屋の温度がそれほど高くなくても快適に過ごせます。
温水式の床暖房は、床下に温水を循環させるパイプを設置する必要があるため、導入費用が高額になり、メンテナンスも必要になりますが、その維持費は導入費用ほど高くはありません。
床暖房は、使い始めの立上り時は暖かさを感じるまで30~60分時間がかかってしまいますが、運転を止めた後も余熱が残りますので居室時間に合わせて床暖房リモコンのタイマー運転をするのがおすすめです。
お手入れ面での注意は、飲み物などの液体がこぼれた場合、床材の種類によっては長時間経つとシミや変色、ひび割れの原因になってしまいますので、汚したらできる限り早めにふき取るようにしましょう。
プラス5年寿命を延ばそう!
エコキュートの平均寿命をさらに約5年寿命を延ばして使用していくための正しいメンテナンス方法と使用方法をご紹介してきました。
長期間、使用し続けているとタンク内や回路関係部分などが汚れてしまったり、故障しやすくなったりしてきます。
タンク内の水抜き、ヒートポンプの空気抜き、風呂配管洗浄などは、慣れてしまえばどれも比較的簡単にできるメンテナンスばかりです。
エコキュートは年数回程の定期的なメンテナンスを行い、丁寧に扱うことによって約10年以上と言われている平均寿命をプラス5年の約15年程度継続して使用できるようになります。
せっかく、高い費用を払って導入したエコキュートなので長い期間使っていきたいですよね。簡単に自分でもできるお手入れや、定期的なメンテナンスを適切に行うことで、快適に使用しながらエコキュートの平均寿命を延ばしていきましょう。エコキュートを導入の際は本記事を参考にしてみてください。