まず、水道工事と聞くと私の家には関係ないと思う人もいます。しかし、生活をする中で電気と水道はどこの家庭にもある必需品です。あまり馴染みはないかもしれませんが、いつあなたの家も水道工事をした方がいい時がくるかわかりません。
いざ水道工事が必要になった際、ポストに水道工事の業者のマグネット広告が入っていたり、テレビCMもやっていたりと、意外と多くの水道工事の取り扱い業者があり、どこを選ぶべきか迷ってしまいますよね。
どの家庭でも毎日利用している水道に工事が必要になった時のために、今回は水道工事の基礎知識、おさえておきたい業者選びのポイントを紹介します。
目次
水道工事ってそもそもなに?
水道は公共のものですが、公道の地下を流れる主の配管から分かれたところから水道の蛇口までの配管や設備は、すべて建物の所有者の財産になっています。家を建てたり、修理は自分たちで行わなくてはなりません。
水道工事には、新しく水道を引く工事、故障した場合の修繕の工事があります。そして水道工事は工事する場所によって大きく分けて「給水管引込工事」と「屋内配管工事」の2つに分けられます。
給水管引込工事
給水管引き込み工事とは、公道の地下を流れている配管から家の水道メーターまで水が流れるようにするために行う配管工事をいいます。水道のないところに水道を付ける際、一番初めに必要な工事です。
建物の高さで決まる給水方式
受水槽式給水方式
戸建のように低層の建物の場合は水道メーターから直接給水しますが、マンションのように複数の世帯が使用する場合は、貯水タンクを設置して一旦そこに水を貯めてから給水する「受水槽式給水方式」を採用します。
中高層直結式給水方式
さらに高層の建物などで貯水タンクを設置しない方法としては、配管に増圧ポンプを付ける「中高層直結式給水方式」などがあります。
貯水タンクは場所を取りますが、その半面、災害時に水が止まっても貯水タンクの水がなくなるまでは利用できるというメリットがあります。
地域によっては、水圧が高ければ4階以上でも直接給水できるという特例がありますので、まずはどの給水方式が適しているのか水道局に事前に確認しましょう。
屋内配管工事
給水管引込工事だけでは、水道メータ―までしか水が来ていません。ちゃんと蛇口まで水を届けるためにはその先の配管の屋内配管工事が必要です。
つまり、新しく家を建てる時には給水管引込工事と屋内配管工事の両方の工事が必要になるということです。また、テナントの場合もその建物がスケルトンの場合は屋内配管工事を自分で行う必要があります。
下水道工事と水道工事は違う
下水とは、雨水や使った後の汚れた水を流す配管です。下水道と水道の工事は別になります。新しい建物を立てる場合は水道工事と下水道工事の両方行う必要があります。
水道工事をすることでどんなメリットがあるの?
わざわざ水道工事を行わなくてもよいのでは?と思うかもしれませんが、水道工事を行うといろいろなメリットがあります。
間取り変更の屋内配管工事
2世帯住宅に建てなおすので「トイレやキッチンを2つずつにしたい。」「洗濯機を置く場所を変更したい。」といった場合など、部屋の間取りを替えたりリフォームしたい時には、屋内配管工事を行えばより使いやすい家の間取りにすることが可能です。
使わない水道の撤去工事
広い建物を長く使用していると使わない水道はありませんか。ほとんど使用しない水道は撤去することをおすすめします。
水道の配管は使われていないと茶色く錆びてしまい、それが原因で普段使用している蛇口の方に異物が混入してしまう可能性があります。長期間使用されていない蛇口があれば撤去しましょう。
悪臭除去の工事
水漏れやつまりの修理以外に水道工事には悪臭除去の工事もあります。水周りを使用していて気になる臭いがある時は改善できるかもしれませんので修理を依頼してみましょう。
臭いセンサーで臭いの原因を調査して改善方法を提案してもらうことができます。
まずは、点検を依頼しよう
どの工事もまずは点検が必要です。故障の原因は何か、配管がどこを通っているのか、道路の深さはどれくらいかなど確認する項目がいくつかあります。点検を行い水道の状況を確認してから工事をしましょう。
水道工事の費用はどのくらい?
いざ工事となると心配なのはかかる費用です。水道工事費用は一体いくらかかるのでしょうか?相場を知っていれば業者選びの参考になるはずです。
水道工事の価格相場は?
水道の蛇口の取り付け
最近はインテリアにこだわる人が増えており、ホテルのようなオシャレな洗面台などにする人も増えています。
蛇口のデザインの交換も水道工事で依頼することができます。かかる費用は8,000円ほどです。
水道修理の業者もいくつか交換できる蛇口を準備していますが、自分の付けたいデザインのものを依頼することもできます。ただし、建物によって合わない仕様もありますので、蛇口を購入する前に工事業者に規格の確認をしてもらいましょう。
水周りの修理費用
水周りの急なトラブルで依頼する、配管のつまり・水漏れ・ポンプの修理などの工事費用は、3,000円~10,000円くらいになります。
水道関係の修繕費用はそんなに高くありませんが、部品の交換が必要になった場合、もう少し費用がかかります。
給水管引込工事
水道管の本管を家まで引いてくる給水管引込工事は、道路の掘削も必要になるため、500,000円近く費用がかかります。
給水管引き込み工事がされていない場所に家を建築する場合は、家を建てる時にこの工事が必要になってしまうのでかなり費用がかさみます。
価格相場以上費用がかかってしまうケース
ホームページやチラシを見て、ここの業者は安いと思って工事を依頼すると、結局は見積もりや価格相場以上に費用がかかってしまったということがあります。予想以上に工事費用がかかってしまうケースをご紹介します。
壁の解体費用
配管がどこにあるかによって修理費用が変わってきます。たとえば壁の中に配管が埋め込まれている場合は、壁を一度壊さなければいけないので費用が高くなってしまいます。
高級な材料費用
水道工事の基礎工事自体はどの業者もそんなに価格は変わらないのですが、使用する部品の値段は業者によってまちまちです。
人件費
全国展開をしている水道業者などで気をつけなければいけないのが出張費用です。業者が来るのにかかる費用を請求される場合があります。
距離や人数によって値段が変わってきます。また、水道引込工事のように道路を工事する場合は、事故が起きないために誘導員も必要です。その場合は誘導員のお給料も費用に上乗せされます。
水道工事業者を選ぶポイントとは?
急に水道工事が必要になった時どこを選べばいいか困りますよね。水道業者を選ぶ上でポイントがいくつかありますのでご紹介します。
複数の業者で比較
水道工事を行う前に工事の見積もりの依頼は複数の業者に行いましょう。
故障の場合は、つい一番安そうな業者にそのまま依頼してしまいそうになりますが、工事する業者によって、工事方法、使用する材料、かかる人件費などが変わってきます。
工事の基本料金を安く提示していても結局それ以上にオプション費用を請求されるかもしれません。しっかり説明してもらって、その中で納得のいく業者を選ぶようにしましょう。
見積もりのポイント
見積書が出てきたら、細かく内容をチェックしていきましょう。まず、工事内容の説明が詳しく記載されているか、使用する材料の価格が記載されているか、費用項目の中で空欄になっている箇所が箇所がないかをご確認ください。
水道局の指定業者であること
水道工事を依頼する時に、その会社が水道局指定の工事店なのかどうかは必ず確認しましょう。水道は公共の施設であり、水道工事は法律上水道局の指定する業者が工事することになっています。
ただ安いという理由で違法業者には依頼しないようにしましょう。
水道工事業者を探す方法
水道工事業者は大きく分けると、ネットで集客をしている業者、全国展開をしている大手チェーン、タウンページなどに載っているような地元の業者があります。
ネットで業者を探す場合
ネットで店舗を構えている業者は、どこに所在があるかがポイントになります。家から遠いところからだと、出張費がかかったりすぐに対応してくれない事があります。
また、ネットだと検索がどこからでもできてしまうのですが、たいてい対応できるエリアは決まっています。
大手業者の場合
そしてテレビCMなどでおなじみの大手チェーンは、24時間対応してくれるというメリットがあります。
夜中の急な水漏れなど困った時には心強いです。ただし、こちらも出張費用が時間帯などによって別で必要になる可能性があります。
地元密着業者の場合
最後に地元の工事業者ですが、小さな業者になるとパーツなどの種類があまり選べない可能性がありますが、近くに業者がある安心感と今後何かあった時に依頼しやすいです。
意外と身近な水道工事
水は私たちの生活の中に不可欠な存在です。家を建てたりすれば必ず水道をつくることが必要ですし、長く使っていると水漏れや排水の詰まりなどの不具合が起き、業者による修繕が必要になることもあります。
水道工事は意外と誰しもが急に必要になる可能性のある身近な工事なのです。
水道工事を取り扱う業者は世の中にたくさんありますが、中には悪徳業者や詐欺まがいの業者もありますので、水道業者選びが重要になってきます。
まずは、いくつもの業者に見積もりを依頼して内容を比較しましょう。複数見積もりを取ることで、無駄な項目がある業者や不親切な業者がわかってくるはずです。
周りの評判がよく、担当者の説明が細かく丁寧に聞けるところに工事を依頼することをオススメします。