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ビルを所有されるオーナー様やオフィス・商業ビルの管理会社様が、突発的に見舞われる最も深刻なトラブルが「キュービクル(高圧受電設備)の故障や異常」です。

  • 「キュービクルから『ジージー』『バチバチ』と不気味な異音が聞こえて爆発しないか不安」
  • 「突然ビル全体が停電し、エレベーターやエアコンがすべてストップしてしまった」
  • 「電気保安会社から『いつ爆発・停止してもおかしくない状態』と故障警告を受けて焦っている」

キュービクルはビル全体の電気供給を担う「エネルギーの要」であり、一度故障するとビル経営そのものを揺るがす甚大なリスクへと繋がります。

本記事では、数多くのビル電気設備トラブル・緊急修理に携わってきた専門スタッフが、キュービクルの「ジージー」という異音の正体から故障の原因、修繕相場、予防点検の落とし穴、現場のリアルな故障事例まで、ビル経営の視点から紹介していきます。

この記事の監修者

前田 恭宏

前田 恭宏

小川電機株式会社 経営企画室

1級電気施工管理技士 2級建築施工管理技士

電材業界で40年以上にわたり営業として従事。 空調や照明からキュービクル、非常用発電機、トランス、制御盤、電線まで、電気設備全般に幅広く携わってきました。 キュービクルや非常用発電機の導入・更新に関する不安や疑問にも、現場経験をもとにわかりやすくご説明いたします。

▼本記事のポイント

  • 「ジージー」異音は超危険信号: 機器内部で高電圧が空気に漏れ出す「コロナ放電」の可能性が高く、放置をするとショート爆発や火災・全館停電に繋がります
  • 故障の波及リスク: 敷地内のキュービクル故障(短絡・漏電)は、近隣一帯を巻き込む「波及事故」を引き起こし、億単位の損害賠償に発展することがあります。
  • ビル経営への打撃: 突発的な故障による全館停電は、テナントの業務停止・食材の全滅・システム障害を起こし、テナント離れ(空室リスク)となってしまいます。
  • 実務上の留意点: キュービクルは「壊れてから部品調達」すると、特注品も多いので復旧までに数週間~数か月を要し、その間の営業が停止することになります。
  • コストを左右する要因: 異音や軽微な部品修理(数万〜数十万円)の段階で対処せずに放置してしまうと、機器全焼による緊急交換工事で数百万円〜1,000万円超の突発的な出費を強いられることに。

1. ビルにおける「キュービクル故障」のメカニズムと危険性

なぜキュービクルが「ジージー」と音を立てたり突然故障を起こすのか、その構造的理由とビル経営にかかわる危険性を見てみましょう。

1-1. キュービクル(高圧受電設備)が故障する仕組みと「異音」の正体

キュービクル内部には、6,600Vの高電圧を扱う変圧器(トランス)や遮断器、保護リレーなどの精密機器が敷き詰められています。これらは常に「高電圧」「高熱」「屋外の過酷な環境」などに晒されており、経年劣化によって絶縁性能が低下(絶縁破壊)します。

もし、内部で「ジージー」「バチバチ」という異音が聞こえる場合、高電圧が空気中に漏れ出す「コロナ放電」や「微小アーキング(火花放電)」が発生している可能性が高いです。

トランスの正常稼働音である重低音の「ブーン」とは異なり、不快な高音や金属摩擦音のような異音は、絶縁が破れて火花が飛び散る寸前の「超危険シグナル」です。これを放置すると、一瞬で大電流が流れて機器の破裂・火災・全館停電事故を引き起こすことになりかねません。

1-2. 故障放置が招く二次災害(波及事故の恐怖)

自社ビルのキュービクル内で激しい故障事故が起きると、電力会社の保護装置が動作するより前に、送電網を通じて近隣のビルや施設一帯の電気まで道連れにしてストップさせる「波及事故」が発生します。

波及事故を起こしてしまった場合:電力会社からの復旧調査が必要なだけでなく、近隣の商業施設や工場から多額の損害賠償を請求されるという、ビル経営において最悪の事態になりかねません。

2. 故障や異音を早期対処・未然防止するビルオーナーのメリット

 故障や異音などのトラブル放置は、全館停電や火災といった重大事故を引き起こすリスクがあります。早期対処や未然防止を行うことで、ビルオーナー様が得られるメリットについて紹介します。

  • メリット①:莫大な突発損害・損害賠償リスクを回避できる
  • メリット②:テナントの信頼を獲得し「長期入居」に繋がる
  • メリット③:修繕予算計画(LCC)を平準化・最適化できる

2-1. メリット①:莫大な突発損害・損害賠償リスクを回避できる

【ポイント:波及事故(波及停電)と緊急対応のプレミアムコスト】

「ジージー」という異音などの初期症状に気づいた段階でパーツ点検と予兆保全を行うことで、数百万円〜数千万円規模にのぼる緊急修繕費用やテナント・近隣への損害賠償という致命的な経営リスクを回避できます。

キュービクルの本格的な故障は自ビル内にとどまらず、地域の電力網全体を巻き込む波及事故を引き起こす恐れがあるためです。万が一波及事故を起こした場合、電力会社や近隣企業から莫大な損害賠償を請求される危険が伴います。故障後の緊急点検や深夜・休日の特急工事には通常時の数倍のコストが発生する観点からも、事前の予兆保全が最大の防衛策となります。

2-2. メリット②:テナントの信頼を獲得し「長期入居」に繋がる

【ポイント:停電によるテナント側の業務被害とビル価値】

 電気設備が常に安全・安定稼働している環境の提供は、データセンターを抱えるIT企業や精密機器を扱うクリニックなど、電源の安定性を重視する高価値テナントの退去防止(リテンション)に大きく貢献します。

重要テナントにとって予期せぬ1時間の停電は、システムダウンや診療ストップによる数千万円規模の直接的な損害に直結するためです。ビルオーナー側が計画的な設備管理を実施し、停電リスクが極めて低いビルという安心感(BCP対応力)を示し続ける取り組みは、他社物件との差別化および長期的な安定稼働を可能にします。

2-3. メリット③:修繕予算計画(LCC)を平準化・最適化できる

 【ポイント:部品調達のリードタイムと計画発注の割引効果】

故障して全館停電になってから慌てて高額な緊急工事費を支払うのではなく、耐用年数に基づいた計画的な部品交換を行うことで、年間のビルメンテナンスコストを安定してコントロールできます。変圧器や遮断器などの高圧部材には受注生産品が多く、発注から納品まで数ヶ月を要するケースが増えているためです。

突発的な故障時には仮設電源の手配や特急調達で費用が跳ね上がる一方、耐用年数に基づく計画発注の実行は、競争入札や相見積もりによるコスト抑制と資金繰りの見通し立案を実現します。

3. 故障発生時にオーナーが直面するデメリットとリスク

 キュービクルが故障してしまうと、即日復旧できずにビル全体を停電してしまう恐れがあり、テナントの営業妨害や巨額の賠償トラブルともなるため、事前にリスクを把握しておく必要があります。

  • デメリット①:代替部品の納期遅延による「長期停電(数週間~数か月)」
  • デメリット②:テナントへの営業補償と信頼の失墜

3-1. デメリット①:代替部品の納期遅延による「長期停電(数日〜数週間)」

キュービクルの主要機器(大型トランスや高圧遮断器)は受注生産品や特殊規格が多く、故障してから発注しても即日納品されません。復旧までに、数週間~数か月単位でビル全館が停電状態となります。

3-2. デメリット②:テナントへの営業補償と信頼の失墜

停電に伴い、飲食店における食材の廃棄、オフィスにおけるシステム障害・データ消失、店舗の臨時休業が発生します。オーナー側の管理不足(異音や故障の放置)とみなされた場合、巨額の損害賠償が発生する可能性があります。

4. キュービクルの故障原因・パーツ別寿命・交換サイクル

ビルの修繕計画において、どの部品が故障や異音を起こしやすいのかを把握しておくことは不可欠であるといえます。

4-1. キュービクル内部機器の限界寿命は「10年〜20年」

キュービクルの外箱自体は長持ちしますが、内部のスイッチ類・コンデンサ・リレーなどの電子系・可動部品は、10年を超えたあたりから急速に故障率が上昇します。

【重要】キュービクルの外箱自体は長持ちしますが、内部機器(変圧器・コンデンサなど)は、設置から10~20年が交換の目安(限界寿命)とされています。見た目に問題がなくとも、内部の劣化は着実に進んでいるため、故障によるリスクを防ぐためには計画的な交換が必要です。

4-2. 故障しやすい主要機器と推奨更新周期(JEMAガイドライン準拠)

 日本電機工業会(JEMA)のガイドラインをもとに、キュービクル内で故障しやすい主要機器、故障・異常時の症状やリスク、推奨更新周期についてまとめました。

構成機器

故障・異常時の症状・リスク

推奨更新周期

高圧コンデンサ

内部ショートによる破裂・爆発・油漏れ(最も故障事故が多い)

10年〜15年

保護継電器(リレー)

誤作動による原因不明の停電、または故障時に遮断されない

10年〜15年

高圧負荷開閉器(LBS)

「ジージー」等の異音、接触不良による異常発熱・焼損

10年〜15年

避雷器(LA)

雷サージによる破損・絶縁破壊による地絡事故

15年

高圧遮断器(CB)

メカ部の固着・動作不良による落雷・事故時の遮断不能

15年〜20年

変圧器(トランス)

「ジージー」放電音や異臭、絶縁油劣化によるショート・破裂・火災

20年〜25年

設置後、10年以上を経過したキュービクルは、コンデンサやLBS(開閉器)の故障が多く見受けられます。「まだ動いているから」「異音は聞こえるが使えているから」と放置せず、月次点検で指摘された故障予兆部品は即座に交換することが鉄則です。

5. キュービクル故障修繕・緊急工事の費用相場

 キュービクルの修繕費は、交換で済むか改修になるかで大きく異なり、緊急対応時には別途手配費用もかかるケースがあります。故障による費用を大幅に抑えるためにも、概算相場を把握したうえで計画的なメンテナンスを行いましょう。

  • 注意!PCB含有機器が故障・破損した場合:古いトランスやコンデンサが故障し、内部のPCB(有害物質)を含んだオイルが漏洩・流出した場合、環境基準に基づいた特殊除染・回収作業が必要となり、清掃・処分費だけで数百万円単位の突発費用が発生します。
  • 「予防保全(事前パーツ交換)」によるコスト削減:「ジージー」という異音の段階で発見し、計画的に交換する「予防保全」を行えば、数十万円の修繕費で済みます。一方、放置して機器爆発・全館停電になってからの「緊急工事」は、深夜休日手当や機器の特急手配料が上乗せされ数百万〜数千万円規模に高額化します。早期対応により復旧コストを最大80%削減可能です。

6. 故障修繕工事の費用を左右する「現場ロケーション」の壁

故障した機器を撤去・搬入する際の見積もりは、「故障場所の環境」によって大きく跳ね上がります。下の表では、設置場所ごとの作業難易度と、重機の手配や人件費など費用が高額化する具体的な要因をまとめています。

設置場所

搬入・作業難易度

工事費・修繕費への影響と注意点

平地・屋外(駐車場等)

小型クレーンや手押し車で速やかに部材搬入が可能。緊急修繕時も最も工期が短く、余計な揚重コストがかかりません。

ビルの屋上

高〜極高

故障した重量物(数キログラム〜数トン)を搬出するため、超大型クレーン車の手配が必須。道路使用許可や夜間道路遮断の手続費用が発生します。

地下階・屋内電気室

高〜極高

重機が入れないため、狭い通路を人力や特殊ジャッキで運ぶ「横引き」が必要。分解して搬出・搬入する工数がかかり、人件費が膨らみます。

埋設配管内のケーブル故障

中〜極高

地中に埋まった高圧ケーブルが絶縁破壊を起こした場合、地面の掘削や配管の再敷設が必要となり、ケーブル修繕だけで高額化します。

7. 故障の予兆をキャッチする「法定点検」の重要性

キュービクルの突然死を防ぐ唯一の方法は、法律(電気事業法)に基づく点検結果を正しく理解し、異音などの初期症状を見逃さずに早期アクションを起こすことです。キュービクルの点検には、毎月行う「月次点検」と停電させて細部まで調べる「年次点検」の2種類が存在します。

キュービクルの突然死を防ぐ唯一の方法は、法律に基づく点検結果を正しく理解し、異音などの初期症状を見逃さずに早期アクションを起こすことです。2つの点検の違いとチェックすべきポイントを整理し、安全な維持管理につなげてください。

7-1. 月次点検(日常点検による「異音・異状」の早期察知)

月次点検とは、キュービクルを「運用したまま(通電状態)」で毎月1回行われる日常的な安全点検です。電気主任技術者などの有資格者が現地を訪問し、外観のチェックや測定器を用いてデータ確認を実施します。電気を止めることなく、目・耳・鼻・測定器を使って「普段と違う異変」に早期に察知し、大事故や突然の爆発・停電を未然に防ぐ重大な役割を担っています。

以下の項目は、月次点検において電気主任技術者などの作業員が五感と測定器を駆使してチェックしている「故障の前兆」の一覧です。

  • 「ジージー」「バチバチ」という異音:内部でスパークが起きている放電現象(コロナ放電・アーキング)の音です。放置すると火災や機器爆発を引き起こす極めて危険な状態を示します。
  • 「ブーン」という激しい振動音:変圧器(トランス)に想定以上の負荷がかかっているか、内部パーツに固定するボルトが緩んで共振している音です。機器の寿命を縮める原因となります。
  • 焦げ臭い匂いや変色の有無:接触不良や過電流によって、機器内部が異常加熱しているサインです。プラスチックや絶縁体が焦げている可能性があり、火災へ直結する危険があります。
  • 絶縁監視装置による微小な漏電データの検知:遠隔モニターを用いて、目に見えない電気の漏れを数値を捉えます。感電や漏電火災を未然に防ぐための重要なデータです。
  • 筐体のサビ・雨漏り・外傷:金属の箱の劣化状況を確認します。隙間から雨水や小動物が侵入すると、内部機器のショートや全館停電といった深刻な事故を引き起こします。

7-2. 年次点検(精密停電点検による内部劣化診断)

年次点検とは、原則として1年に1回(条件を満たせば3年に1回)、ビル全体を一時的に「停電(停電点検)」させて行う大規模な精密点検です。運用中(通電状態)では触れられない内部機器に直接触れ、機器の内部清掃や高電圧をかけた絶縁性能の測定、保護装置が正しく作動するかどうかの動作テストを網羅的に実施します。

以下の項目は、年次点検において電気主任技術者などの作業員が、停電状態で内部の清掃・増し締め・測定器を駆使してチェックしている「故障の前兆」の一覧です。

  • 内部のホコリ・ゴミ清掃:積もったホコリは「ジージー」放電やショート事故の最大原因です。内部をキレイに保つことで、突然の爆発や停電事故を防ぎます。
  • ボルトゆるみの増し締め:熱の膨張や振動でゆるんだネジを締めなおします。接触不良による異常発熱や、異音の発生を未然に遮断する作業です。
  • 絶縁抵抗測定・保護リレー動作試験:電気の漏れがないかを数値で確認し、事故時に安全装置が正しく作動するかをテストします。いざという時に電気を安全に遮断するための重要な検査です。

【重要】:点検報告書の「要修繕」「異音指摘」を放置しない!

点検報告書に記載される「要交換」「放電音あり」の指摘を「まだ動いているから」と放置した結果、数ヶ月後に実際に爆発・全館停電を引き起こすケースが後を絶ちません。指摘事項は「故障の事前通告」と受け止める必要があります。

8. 【実例紹介】キュービクル故障や異音に直面したビルオーナー・担当者のリアル

当社に寄せられたご相談や、実際の修繕対応から見えてきたビルオーナー様・管理担当者様のトラブル実例をご紹介します。

8-1. 雑居ビルオーナー・A様(50代・築24年):『ジージー』という異音を放置した結果、週末に全館停電に

「月次点検で『キュービクル内からジージーと異音がしており放電の危険があります』と注意されていたのですが、費用を渋って先送りに指示を出していました。

すると、ある日曜日の真昼間、ドーンという衝撃音とともにキュービクルから黒煙が上がりビル全体が停電。急拠手配した緊急工事会社に駆けつけてもらいましたが、爆発した変圧器の調達に3ヶ月かかり、入居テナントの飲食店や美容室は休業せざるを得なくなりました。

休業補償と緊急工事費で結果的に予定の倍以上の出費となり、異音がした時点で早期修理しておけばと猛烈に後悔しました。」

【当社の対応と結末】
事故発生直後、変圧器調達の緊急依頼をいただきました。当社が持つ電材商社ならではの独自の流通ネットワークを駆使して機器を手配し、納期を当初想定の3ヶ月から約1ヶ月にまで大幅短縮して納品いたしました。

あわせて、再発防止に向けた最適な更新計画の策定をアドバイスし、現在は計画的な設備維持体制が継続出来ているとお聞きしております。

8-2. 商業ビルPM担当・B様(30代・不動産管理会社):ネズミの侵入によるショート事故で周辺エリアまで巻き込む大事故に

築古の商業ビルで、配線引込口のパテ(防鼠材)が劣化して穴が空いていました。点検会社から補修を勧められていたものの対応が遅れていたところ、内部に侵入したネズミが高圧部に接触。

ドカンと大きな音がして自社ビルが停電しただけでなく、近隣のオフィスビル3棟の電気まで巻き込んでストップさせてしまいました(波及事故)。電力会社の緊急調査が入る事態となり、復旧費用だけでなく謝罪回りに追われ、管理会社としての信用を失いかけました。

【当社の対応と結末】
波及事故を起こした老朽キュービクルの更新に向け、管理会社様よりご相談をいただきました。現場担当者およびメーカー様と連携のうえ、設置環境や納期に合わせた最適なキュービクルを迅速に選定・供給し、将来的な波及事故リスクを極限まで抑える設備更新を実現しました。

8-3. オフィスビル所有・C様(60代・不動産投資家):点検時の異音指摘に従い計画修繕。高額な突発故障を回避

 「中古で取得したビルの年次点検で『高圧コンデンサの異音と膨張(故障の前兆)』が指摘されました。

すぐに専門の電気工事店に見積もりを取ったところ、パーツ交換だけなら約25万円で済むことが判明。休日の数時間の作業で無事に交換を終えました。

工事スタッフの方から『もし放電を放置して破裂していたらトランスまで巻き込んで500万円以上の工事になっていた』と聞き、点検報告書に基づいた早めの予防保全がビル経営を守るのだと実感しました。」

【当社の対応と結末】
C様がお手配された電気工事店様より、高圧コンデンサの調達依頼を当社にお寄せいただきました。仕様に合致する納品したほか、今後5~10年を見据えた他部材の交換時期についてアドバイスを実施。事故による数千万円規模の損害を未然に防ぐ、予防保全をキュービクルに詳しい専門スタッフの立場から支援いたしました。

9. ビルで多発するキュービクルの「3大故障・異音トラブル」と予防策

現場で実際に発生している典型的な故障事故パターンとその対策です。

9-1. 故障①:雨水・湿気侵入による「ジージー放電・爆発事故」

パッキンの劣化やゲリラ豪雨で内部に水が浸入し、湿気による「ジージー」という放電から最終的に高圧部がショートを引き起こすような事故です。

屋外屋上に設置されたキュービクルのパッキン劣化や、ゲリラ豪雨による水没で内部に水分が侵入することで湿気や水滴によって「ジージー」と放電が始まり、最終的に高圧部に水がかかりショート(地絡・短絡)を引き起こします。

  • 予防策: 外箱の防水パッキン交換、塗膜の塗り替え、地下設置の場合は排水ポンプの点検と嵩上げ設置を行ってください。

9-2. 故障②:小動物・昆虫侵入による「短絡(ショート)事故」

隙間から侵入したネズミやヘビが接触して感電し、自社の機器破損にとどまらず近隣までも巻き込む波及事故を引き起こすような事故です。隙間から侵入したネズミやヘビが帯電部に接触して感電事故が発生。機器の破壊と同時に波及事故を引き起こします。

  • 予防策: ケーブル引込口の防鼠パテ埋めを徹底すること。数千円〜数万円の補修作業で防止可能です。

9-3. 故障③:経年劣化による「コンデンサ破裂・トランス焼損」

寿命を超えた部品を使い続けた結果、内部で絶縁油が沸騰・ガス化し、容器が膨張して破裂・出火する事故です。

  • 予防策: 推奨更新周期(10〜15年)を超えた部品は、稼働していても計画的に新品へ入れ替えてください。

10. キュービクル故障防止・修繕工事の標準プロセス

点検で異常が見つかってから実際の工事が完了するまでは、以下の5つのステップで進みます。全体の流れと各工程で気を付けるべきポイントを解説します。

  1. 点検報告書の確認・異音や故障リスクの診断: 毎月の月次点検・年次点検の報告書から、「要修繕」「異音あり」「危険」と書かれた箇所をチェックします。

-「要修繕」「注意」「異音」などの記載を放置すると事故に直結します。

報告書が届いたら放置せず、コメントを必ず確認することが大切です。

  1. 現地調査・故障原因の特定: 電気工事の専門業者が現地を訪問し、異音の発生源や交換が必要なパーツ、搬入経路を確認します。

-異音や発生場所だけでなく、先述した「搬入経路(クレーンが入るか、地下  か)」も確認してもらうことで、正確な見積もりが作成できるようになります。

  1. 修繕・予防保全プラン策定・見積取得: 「部分的なパーツ交換」か「全体のリニューアル」かを見極め、複数社から見積もり(相見積もり)を取ります。
    -納期や費用の妥当性を確かめるため、相見積もりを取るのがおすすめです。
  2. 工事実施日の決定・テナント周知: 停電が伴う作業の場合、数ヶ月〜数週間前からテナントへ事前アナウンスを行います。
    -電気が止まる工事の場合、テナントの営業やシステム運用に影響します。

   トラブルを防ぐため、遅くとも数週間~数か月前には案内を出して調整します。

  1. 修繕・交換工事の実施(停電作業): 安全な環境下で故障部品の取り外し、新パーツの組付、耐圧試験を実施し受電を再開します。

-交換完了後は安全テスト(耐圧試験など)を行い、問題がないことをしっかり確認したうえで電気を再開します。

11. キュービクルの故障に関してよくある質問

キュービクルは長年の仕様や自然環境の影響により、予期せぬ故障が発生することがあります。ここでは、日常点検やトラブル時に役立つ「よくある質問と原因・対処法」をまとめました。

11-1.Q1:キュービクルが突然停電してしまいました。まず何を確認すべきですか?

回答:まずは建物全体の停電か、自社敷地内のみの停電かを確認してください。自社のみの停電である場合、キュービクル内機器(LBS・VCBなど)が事故を検知して作動した可能性が高いため、以下の対応を行ってください。

  • 感電の危険があるため、絶対に無資格者が内部の機器やスイッチに触れないでください。
  • 自社選任の電気主任技術者、または契約している電気保安協会(保安法人)へすぐ連絡してください。

11-1.Q2:キュービクルから「ブーン」という音がします、異常でしょうか?

回答:はい、変圧器のうなり音である可能性が高いですが、音が大きくなった場合は注意が必要です。変圧器は構造上、稼働時に「ブーン」という微細な振動音を発します。

ただし、いつもより明らかに音が大きくなっている場合や異臭・変色が伴う場合は過負荷や本体の劣化・不具合が疑われます。速やかに電気主任技術者・保安管理会社へ連絡し、点検を依頼してください。

11-1.Q3:故障が疑われる場合、部品交換や部分的な修理は可能でしょうか?

回答:LBSやVCBなどの主要機器は単体での交換修理が可能です。ただし、設置から20年以上経過している老朽化キュービクルの場合、生産終了により代替品の手配に時間がかかるケースや、本体入れ替えの方が結果としてコスト・安全面で有利になる場合もあります。

11-1.Q4:台風や大雨のあと、キュービクル内部に浸水してしまいました。そのまま使えRますか?

回答:大変な危険なため絶対に通電せず、絶縁抵抗測定などの点検を行ってください。

11-1.Q5:キュービクルの更新が必要となった場合、費用が高額になりそうです。リースや割賦は利用出来ますか?

回答:はい、リースや割賦を利用することが可能です。提携保証会社への審査をご提案することも可能ですので、お気軽にご相談ください。

12. まとめ:適切な故障予防と相見積もりが「ビルの資産価値」を守る

キュービクルの異音や故障は、起きてからでは遅い「ビル経営最大の潜在リスク」です。

「ジージー」という異音を放置して故障してからの緊急対応には莫大な費用と時間がかかりますが、日頃の適切な点検と、報告書に基づく計画的なパーツ交換(予防保全)を行うことで、コストを最低限に抑えつつビルの安全を守ることができます。

「キュービクルから変な音が聞こえるので至急点検してほしい」「点検で故障の指摘を受けたが見積もりが妥当か知りたい」という方は、ぜひ電気設備の専門業者までご相談ください。

12-1. 電気設備のトータルサポートなら小川電機株式会社にお任せください

【小川電機株式会社について】

小川電機株式会社は、創業60年以上の歴史を持つ電設資材の総合卸商社です。半世紀以上にわたって培ってきた豊富な実績とネットワークを活かし、ビルの規模や設置環境に応じた最適なキュービクルの選定・調達を提供しています。

安全性を最優先に考え、ビルオーナー様・管理会社様のご予算に合わせた最適な故障予防・修繕コスト削減プランをご提案いたします。キュービクルの異音対応・故障修繕・更新につきましては、ぜひお気軽に当社までお問い合わせください。

項目

詳細情報

商号

小川電機株式会社

設立

1963年3月(創業1947年)

本社所在地

〒545-0021 大阪府大阪市阿倍野区阪南町2丁目2番4号

事業内容

電設資材・家電製品・住設機器の総合卸商社(電気に関わる製品・インフラのトータルサポート)

拠点数

関西・首都圏を中心に40拠点以上

企業特徴

取扱アイテム150万点以上 / 設立以来、常に黒字の安定経営

公式HP

https://www.ogawa.jp/

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前田 恭宏

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小川電機株式会社 経営企画室

1級電気施工管理技士 2級建築施工管理技士

電材業界で40年以上にわたり営業として従事。 空調や照明からキュービクル、非常用発電機、トランス、制御盤、電線まで、電気設備全般に幅広く携わってきました。 キュービクルや非常用発電機の導入・更新に関する不安や疑問にも、現場経験をもとにわかりやすくご説明いたします。

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