「自社のキュービクルが度の形式なのか把握したい」「増設や交換を検討しているが、自社に合うキュービクルの種類がわからない」とお悩みの設備担当者やオーナー様は少なくなりません。
キュービクルは見た目が大きな金属の箱ですが、内部の保護方式や構造、設置場所によって明確に形式が分類されています。
形式や種類を把握せずに機器の選定や増設を進めてしまうと、「消防の基準を満たしていない」「契約電力に合わない機器を選んでしまった」といった重大な施工トラブルやコストロスにつながる危険があります。
「銘板を見てもどの形式か判断できない」「PF-S型とCB型は何が違うの?」「屋外用と屋内用、推奨形と認定形の見分け方を知りたい」
本記事では、キュービクルの形式や種類について疑問を持つ企業の設備担当者様やオーナー様向けに、長年キュービクルを扱ってきた実績を持つ当社の前田(一級電気施工管理技士)が、「キュービクルの形式・種類の見分け方」をテーマとして、受電構造、設置環境、構造規格による違いと判別手順を整理してお伝えします。
この記事のポイント
- 一番重要な受電方式は「PF-S型」か「CB型」の2種類で見分ける:
契約電力300kVAを基準に分かれており、扉裏の単線結線図にある「LBS(PF付)」か「VCB」の表記で判別できます。 - 設置環境の違いは「天井構造(水切り)」と「換気口」で一目瞭然:
屋外形は雨水防止の傾斜天板やルーパー(ルーバー)を備えており、屋内形はフラットな天板になっています。 - 規格の違いは金属銘板(ステッカー)のマークで判別する:
JEMA(日本電機工業会)の「推奨形」や日本電気協会の「認定形」ステッカーの有無で、法令上の特例や安全基準が確認できます。 - 正確な判別は本体の「製造銘板(ネームプレート)」をチェックする:
外観での判断に加え、銘板に記載された型式・容量・製造年・保護等級を確認するのが最も確実に特定できる方法です。
1. そもそも「キュービクル」とは?基本知識を整理
まずは、キュービクルの仕組みや施設への設置基準に関する基礎知識から確認します。
1-1. キュービクル(高圧受電設備)の仕組みとは?
キュービクルの正式名称は「高圧受電設備」です。
発電所から送電線を伝って送られてくる電気は6,600V(ボルト)と高電圧のため、施設や店舗で安全に使用するには100Vや200Vに変圧(電圧を下げる)する必要があります。
一般家庭や小規模な事業所の場合、電柱に取り付けられている変圧器を通じて電力会社が減圧した電気(低圧受電)を供給します。一定以上の電力を使う施設では、電力会社から6,600Vのまま電気を直接買い取り、自前の金属箱(キュービクル)の中で100V/200Vに変圧する仕組みをとっています。
1-2. キュービクルの設置基準と容量分類
法令および電力会社との契約上、契約電力が50kW(キロワット)以上となる施設はキュービクルの設置が義務付けられています。
キュービクルは扱う容量によって大きく3つに分類されます。容量が大きくなるにつれてキュービクルのサイズも大きくなり、本体価格・工事費用ともに高くなります。
区分 | 容量(kVA) | 主な設置用途 |
|---|---|---|
|
小型キュービクル |
100kVA〜200kVA |
コンビニ、小規模店舗など |
|
標準キュービクル |
200kVA〜500kVA |
中規模店舗、小規模工場、スーパーなど |
|
大型キュービクル |
500kVA以上 |
テナントビル、病院、大型製造工場など |
2. 【受電構造で見分ける】PF-S型 と CB型 の違い
キュービクルの種類の中で受電および保護方式による分類は、契約電力の大きさに応じて「PF-S型」と「CB型」の2つに大別されます。
2-1. PF-S型とCB型の比較表
項目 | PF-S型 | CB型 |
|---|---|---|
|
対象契約電力 | 300kVA 以下 | 300kVA 超(300kVA以下でも採用可) |
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主要構成機器 | PF(高圧電力ヒューズ)+ S(LBS / 高圧交流負荷開閉器) | CB(VCB / 真空遮断器など)+ OCR(過電流継電器) |
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見分け方(図面表記) | 単線結線図に 「LBS (PF付)」 と記載 | 単線結線図に 「VCB」 と記載 |
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内部の見た目 | 筒状のヒューズが取り付けられた開閉器がある | 赤や黒の操作ボタンがついた大型の遮断器本体と継電器がある |
|
特徴・メリット | 構造がコンパクトで設置コスト・維持費を抑えやすい | 事故時の遮断能力が高く、停電復旧や高圧機器の操作が容易 |
2-2. どこを見れば判別できる?
キュービクルの扉の裏側や正面パネルに貼られている「単線結線図(スケルトン図)」を確認するのが最も簡単です。
- 「LBS (PF付)」 というシンボル・記号があれば PF-S型
- 「VCB」 というシンボル・記号があれば CB型
契約電力が300kVA以下であっても、将来の増設見込みや保安上の観点から「CB型」を導入している施設もあります。容量だけで決めつけず、結線図や実物機器を確認して判断してください。
3. 【設置環境で見分ける】屋外用 と 屋内用 の違い
キュービクルが設置されている場所(屋外・屋内)によって、箱(エンクロージャー)の構造や防水性能が異なります。
形式 | 外観・構造の見分け方 |
|---|---|
|
屋外用(屋外形) | ・天井部分に傾斜(水切り屋根構造)があり、雨水が溜まらない仕組みになっている。・雨水の浸入を防ぐため、換気口にルーパー(ルーバー)や防虫網が付いている。・扉のフチに水密性を高める防水用パッキンが施されている。 |
|
屋内用(屋内形) | ・天井部分がフラット(完全な平ら)で屋根の傾斜がない。・換気口がシンプルなスリット穴や網構造になっている。・雨水対策が不要なため、全体的に構造がシンプル。 |
屋外用のキュービクルを屋内に設置することは技術的に可能ですが、屋内用のキュービクルを屋外に設置すると雨水侵入によるショートや絶縁破壊を引き起こすため施工できません。
4. 【構造・規格で見分ける】推奨形・認定形・オープン形
キュービクルは、法令上の基準や構造の密閉度によっても分類されます。
4-1. 推奨形(JIS適合品)
一般社団法人 日本電機工業会(JEMA)が定めた規格に適合した製品です。構造や安全基準が標準化されており、信頼性が高いため広く普及しています。
- 見分け方: 外箱や扉内側に「推奨形銘板(JEMAマーク)」のステッカーが貼られています。
4-2. 認定形
消防法に基づく火災予防条例の認定基準をクリアした製品です。火災に対する安全性が確保されているため、建物や壁面からの離隔距離を通常より短縮して設置できます。
- 見分け方: 日本電気協会などが発行する「認定品ステッカー」が貼られています。
4-3. オープン形(フレーム形)
金属製の箱(キュービクル)で全体を密閉するのではなく、アングルフレーム(骨組み)にトランスや遮断器などの機器を取り付け、周囲をフェンス等で囲った方式です。
- 見分け方:箱に入っておらず、機器が露出している構造。
- 特徴:築年数が経過した大型ビル、古い工場、変電施設などに多く見られますが、感電や事故のリスクから近年新設されるケースはほとんどありません。
5. 確実に形式を特定するための3ステップ手順
自社のキュービクルの形式を確実に特定したい場合は、次の手順で確認を行ってください。
【ステップ①】製造銘板(ネームプレート)の確認
【ステップ②】扉裏の単線結線図(スケルトン図)の確認
【ステップ③】認定・推奨ステッカーの確認
- 製造銘板(ネームプレート)を確認する
正面扉の外側、またはメイン扉を開けた内側に金属製の小さなプレート(製造銘板)があります。製造銘板に記載されている「型式」「定格容量(kVA)」「受電方式(PF-S/CB)」「保護等級(屋外/屋内)」を確認します。 - 単線結線図を確認する
扉の裏側に貼られている回路図を見て、主開閉器が「LBS」か「VCB」かを判定します。 - 認定ステッカーを確認する
推奨形(JEMA)や認定形のマークが付いているか確認します。推奨ステッカーの存在は設備更新の検討や消防への届出書類作成時に根拠データとなります。
6. 実際に当社でキュービクルの形式・種類に関するよくある質問
キュービクルの形式選定や見分け方に関して、お客様からよく寄せられる質問をまとめました。
Q1. 自社のキュービクルがPF-S型かCB型か分からない場合、どこを見ればいいですか?
- キュービクルの扉裏に貼られている「単線結線図」をご確認ください。メインのスイッチ部分に「LBS」と書かれていればPF-S型、「VCB」と書かれていればCB型です。判定が難しい場合は銘板の写真を撮影の上、当社へご相談ください。
Q2. PF-S型からCB型へ変更することは可能ですか?
- 可能です。設備の増設に伴い契約電力が300kVAを超える場合や、保護性能を高めたい場合にはCB型への入れ替え工事を行います。受電容量の大型化にともない機器サイズが大きくなるため、キュービクル本体の買い替えや設置スペースの再確保が必要です。
Q3. キュービクルの形式特定から機器選定まで小川電機に相談できますか?
- ご相談いただけます。現地の写真や銘板情報をもとに、現在の形式特定から最適な更新・新設プランのご提案まで対応いたします。
7. まとめ
キュービクルの形式や種類は、「受電構造(PF-S型/CB型)」、「設置環境(屋外/屋内)」、「構造規格(推奨形/認定形/オープン形)」の3つのポイントを押さえることで見分けることができます。
適切な形式の把握は、日々の安全管理や将来の設備更新・増設計画における事故防止とコスト最適化につながります。
「銘板が古くて読み取れない」「自社の設備更新にどの形式を選ぶべきか分からない」という方は、ぜひ小川電機へお問い合わせください。
8. 「小川電機株式会社」について
小川電機株式会社は、設立から50年以上の歴史を持つ電材総合商社です。キュービクルの更新・導入や最適な型式選定でお悩みの方は、ぜひ小川電機にご相談ください。
項目 | 内容 |
|---|---|
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商号 |
小川電機株式会社 |
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設立 |
1963年3月(創業1947年) |
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本社所在地 |
〒545-0021 大阪府大阪市阿倍野区阪南町2丁目2番4号 |
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事業内容 |
電設資材・家電製品・住設機器の総合卸商社 |
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拠点数 |
関西・首都圏を中心に40拠点以上 |
小川電機が選ばれる3つの強み
- 取引メーカー3,000社・取扱商品150万点以上の圧倒的な調達力
全国40拠点以上のネットワークを活用し、主要高圧機器メーカーのキュービクルや構成部材を迅速に調達・手配します。 - 販売・施工・点検までを支える「ワンストップ工事支援体制」
機器の選定から施工パートナーの手配、受電手続き支援まで窓口を一本化し、設備担当者様の業務負担を軽減します。 - 現場に応じた最適プランを届ける「課題解決型の提案力」
設置スペースや契約電力、ご予算に合わせた最適な形式・容量のキュービクルをご提案いたします。
