新規にインターホンを取り付けたり、古いインターホンを新しい機種に交換したいと考えている人も多いことでしょう。その際に注意したいのが「配線工事」です。この記事では、インターホンの配線工事が必要なケースと必要でないケースなどについて詳しく解説していきます。
配線工事が必要ないケース
インターホンを新たに設置する場合、必ずしも配線工事が必要というわけではありません。
「電源プラグ式(電源コード式)」のインターホンは、AC100Vのコードが付いているので、そのままコンセントに挿すだけなので配線工事は不要です。大変に手軽な方式ですが、当然電源を取るためのコンセントが必要です。周辺にコンセントがあるのかどうかを確認しておく必要があります。
ただし、親機と子機をつなぐ配線があらかじめ設置されていることが前提になります。電源プラグ式インターホンは交換も簡単です。本体さえ交換することができれば、配線工事が不要です。
電源どころか、親機と子機をつなぐ配線がない家もあります。その場合は「電池式ワイヤレスインターホン」を選択することになります。電池式のため定期的な交換が必要ではあるものの、電源が不要です。
また、ワイヤレスのため親機と子機を配線でつなぐ必要もありません。どのような家にでも設置できるというメリットがある方式です。電源プラグ式をワイヤレスに交換したい場合は、「プラグ式ワイヤレスインターホン」を選択すれば配線工事が不要で、電池交換の手間もなくなります。
もちろんワイヤレスインターホン同士の交換の場合も配線工事は必要ありません。
配線工事が必要なケース
「電源直結式インターホン」はAC100Vの電源を取っていますが、コンセントを使わず電源の配線(VVFケーブル)が親機や子機に直結しています。構造自体は非常にシンプルですが、配線を直接扱う必要があるため配線工事が必要になります。
同様の理由で、「電源プラグ式インターホン」から「電源直結式インターホン」に交換する場合も配線工事が必要です。
また、「プラグ式ワイヤレスインターホン」・「電池式ワイヤレスインターホン」を「電源直結式インターホン」に交換する場合は、電源の確保に加えて親機と子機を結ぶ屋内配線の工事が必要なことが多いため、配線工事がより煩雑になる可能性があります。
電池式ワイヤレス以外のインターホンは、設置場所を変更する際にも注意が必要です。
例え同じ方式同士のインターホンであっても、配線を延長したり取り回しを変更する必要があるケースがほとんどです。その場合も配線工事が必要になります。
マンションの場合も注意が必要です。オートロックで集合住宅システムを採用しているインターホンの場合、個人で交換することは不可能です。必ず専門の業者にみてもらう必要があります。特に最近のマンションは複雑なセキュリティシステムを採用しているため、個人が勝手に手を加えると大きなトラブルを引き起こす可能性すらあります。インターホンの故障などがあった場合は、すぐに業者や管理組合などに相談しましょう。
配線工事を行う電気工事士
インターホンの交換で配線工事が必要な場合は、必ず「電気工事士」の資格を持ったプロに依頼することが必要です。特に電源に関係する配線をプロ以外が作業を行うことは非常に危険です。作業中に感電などの事故が起こる可能性があるからです。
また、取り付けや配線の不具合による漏電によってショートが発生した場合、機器が破損するだけでなく、火災などの大事故につながる恐れもあります。たしかに最近はDIYで自宅をアレンジする人が増えていますが、配線工事は専門知識や十分な経験がないと手をだしてはいけない領域なのです。
高電圧の配線工事を一般の人が行うことは大変に危険であるため、「電気工事法」によって配線の作業が制限されています。そのため、「差込み接続器」「ソケット」などを除く専門的な工事は電気工事士の資格が必要なのです。電気工事士には「第二種電気工事士」とより専門的な「第一種電気工事士」とがありますが、一般住宅などの配線工事は「第二種電気工事士」で作業可能な範囲となっています。
なお、電気工事法には「電鈴やインターホンに関しては小型変圧器(二次電圧36V以下)の二次側の配線工事」は資格なしでも作業が可能となっていますが、「AC100Vの主電源」のことではないので混同しないように注意が必要です。
配線工事にかかる費用
インターホンの配線工事を専門の業者に依頼する場合は、あらかじめトータルの費用を確認しておくことが大切です。まずは「インターホン本体の価格」ですが、機種によってかなり幅があり、主要価格帯は5,000円から40,000円程度です。
インターホンの「交換費」としては5,000円前後、「出張作業費」は3,000円程度が相場です。配線工事としては「配線延長費」が8,000円程度、「電源増設工事費」が12,000程度です。配線にかかわる工事の費用として28,000円程度が目安となりますが、電源の場所などによってはかなり金額が変わる可能性もあります。
また、交換の場合でも既設のインターホンが古く、交換に大掛かりな加工や工事が必要な場合は別途料金がかかる可能性もあります。特に古い住宅に多い「呼び出しチャイム」の場合は注意が必要です。配線はそのまま使えることが多いのですが、室内のスピーカーが部屋の高い位置にあるなど、現代のインターホンの設置に適さない場所にあるケースが少なくありません。
そのため、配線の延長や機器設置のための壁の加工などが必要になります。こういった場合は、40,000円から50,000円程度の工事費用をみておいてもよいでしょう。
取り付けや交換のタイミング
新築で一戸建てを購入した場合は、建築の際にインターホンも一緒に取り付けを依頼すること大切です。
完成後に取り付けると、別途配線工事が発生する可能性があるからです。また、建築と同時に発注しておけば、設置場所なども自由に決めることができます。リフォームなどを行う場合も同様です。将来的にインターホンの交換を検討しているのであれば、リフォーム工事と同時に行ってしまった方が効率的で、時間もお金も節約することが可能です。
インターホンが故障してしまった場合だけでなく、明らかに古くなってしまっている場合も交換するのによいタイミングといえます。最近のインターホンはモニターの解像度が上がっているうえに録画機能が充実しているなど、セキュリティの強化に役立つモデルが主流となっています。
防犯機能を備えていない古いインターホンを使っている場合は、できるだけ新しいものに交換した方が毎日の生活も安心です。交換の際に配線工事が必要な場合はそれなりの費用がかかってしまいますが、使い勝手や防犯効果を考えるのであれば、思い切って交換してしまうのがおすすめです。
見積り比較で実績のある業者に
このように、インターホンを設置したり交換したりする場合は、配線工事などのさまざまな費用も用意する必要があります。
もちろん費用は安いに越したことはないのかもしれませんが、故障などのトラブルを防ぐためには実績のある専門の業者に作業を依頼することが大切です。
後悔しないためにも、複数の業者から見積もりを取って信頼できる業者を探すことがおすすめです。最近はマッチングサイトなどで簡単に見積もりをしてもらうことができます。まずは気軽に問い合わせしてみてはいかがでしょうか。