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非常用発電機は、停電や災害時に電力を確保するために欠かせない設備です。その仕組みや構造、そして用途によって種類が分かれるため、導入前に正しく理解しておくことが重要です。

適切な知識を持たずに設置すると、必要な性能を発揮できない可能性があります。今回は、非常用発電機の基本的な構造や種類の違いを整理し、導入時に検討すべきポイントをわかりやすく解説します。

非常用発電機とは

非常用発電機は、災害や事故による停電時でも必要最低限の電力を供給できる装置です。確実に稼働させるため、消防法や建築基準法によって明確な基準が設けられています。

消防法

  • 定格負荷で60分以上連続運転できること
  • 燃料油は2時間以上の容量であること
  • 40秒以内に電圧確立できること

建築基準法

  • 防災設備に30分以上の電力供給ができること
  • 30分以上の連続運転ができる容量を持つこと
  • 40秒以内に電圧を確立できること

つまり、非常用発電機には、停電が発生した瞬間に速やかに稼働し、一定時間は安定的に電力を供給できる性能が求められます。

非常用発電機の構成・内部構造

画像引用元:災害時における非常用自家発電設備の稼働 状況とその計画(社団法人 日本内燃力発電設備協会)

非常用発電機は、原動機・発電機・ラジエータの3つを中心に構成されています。

  • 原動機:動力を発生させる機器
  • 発電機:電力を発生させる機器
  • ラジエータ:発電機を冷却するための機器。

機種によってはバッテリや燃料タンク、消音器などが搭載されており、長時間の運転や騒音対策といった機能性を高めています。

発電機関の種類

非常用発電機は、原動機の方式によって、次の3種類に分類されます。それぞれに特徴や仕組みが異なるため、用途や設置環境に応じた選択が重要です。

  • ガスタービン式
  • ディーゼルエンジン式
  • ハイブリッド式

ガスタービン式非常用発電機

ガスタービン式非常用発電機は、灯油・軽油・A重油・天然ガスなど多様な燃料を用いて稼働するタイプの非常用発電機です。軽量かつ小型で、冷却水を必要としない点が特徴ですが、始動には大きな動力を必要とします。

ガスタービン式の動作原理

画像引用元:3.4 非常用発電装置(農林水産省)

ガスタービンはコンプレッサ、燃焼器、タービンから構成されます。コンプレッサで圧縮した空気と燃料を燃焼させ、大きな熱エネルギーを発生させてタービンを直接駆動し、回転運動へと変換します。

ガスタービンの軸構成

ガスタービンは、一軸形と二軸形に分かれます。

一軸形は構造が単純で負荷変動に強く、発電機駆動に用いられます。一方、二軸形は複雑で安定性に劣るものの、コンプレッサやポンプ駆動、車両推進用に利用されます。

ガスタービン式の始動方式

ガスタービンは自力で始動できないため、外部から回転力を与える必要があります。始動方法には「電気始動方式」と「空気・ガス始動方式」があり、一般的には電気始動方式が採用されています。

ディーゼルエンジン式非常用発電機

ディーゼルエンジン式非常用発電機は、軽油やA重油を燃料として動作するタイプの非常用発電機です。経済性に優れ、短時間で始動できる特性を持つ一方、大型で重量があり、カーボンカーボン付着による不完全燃焼が発生しやすい特徴があります。

ディーゼルエンジン式の動作原理

画像引用元:3.4 非常用発電装置(農林水産省)

ディーゼルエンジンは、吸入・圧縮・爆発・排気の4行程を繰り返すことで動力を得ます。燃焼ガスの熱エネルギーをピストンの往復運動に変換し、さらに回転運動へと変換する仕組みです。

ディーゼルエンジン式の燃焼方式

燃焼方式は、「直接噴射式」と「予燃焼室式」に分かれます。

直接噴射式は始動性と熱効率に優れ、中速~低速機関に適しています。予燃焼室式は騒音や振動が少なくNOx排出も抑えられますが、予熱が必要であるため始動時間が長くなります。

ディーゼルエンジン式の冷却

冷却方式は、「空冷」と「水冷」があります。ただし、空冷式は小容量のものが多く、大型の発電用途には水冷式が一般的です。

ディーゼルエンジン式の始動方式

始動方法には、圧縮空気をシリンダ内に送り込む空気始動方式と、セルモータを用いる電気始動方式があります。小型発電機では、電気始動方式が広く採用されています。

ガスタービン式とディーゼルエンジン式の違い

両方式とも「吸入・圧縮・膨張・排気」の流れは共通ですが、ガスタービンは各過程を別の装置で行い、ディーゼルは同一シリンダ内で処理する点が異なります。ガスタービン式とディーゼルエンジン式の違いを表にまとめると次のようになります。

項目

ディーゼルエンジン

ガスタービン

作動原理

熱エネルギーを往復運動に変換後、回転運動へ変換

熱エネルギーを直接回転運動に変換

燃焼消費率(エネルギーを生み出すのに、どれほどの燃料を必要とするのか)

210~310 [g/kwh]

260~680 [g/kWh]

使用燃料

軽油、A重油など

灯油、軽油、A重油、天然ガスなど

体積・重量

部品数が多く大型で重量も大きい

部品が少なく小型軽量

 冷却水

必要

不要

ハイブリッド式非常用発電機

ハイブリッド式非常用発電機は、ディーゼル式やガスタービン式にバッテリを組み合わせたタイプの非常用発電機です。バッテリを搭載することで稼働時間を延ばせるほか、複数種類の燃料に対応可能な機種も存在します。

非常用発電機の用途による分類

非常用発電機は、用途に応じて大きく「防災用」と「保安用」に分けられます。それぞれの役割を理解することで、導入目的に沿った適切な機種を選択できます。

防災電源用

防災電源用非常用発電機は、災害時に消防設備や非常用エレベーターなど防災設備へ電力を供給するための発電機です。消防法により設置が義務付けられており、確実に稼働することで人命を守る重要な役割を果たします。

保安電源用

保安電源用非常用発電機は、企業が自衛のために重要な設備へ電力を供給するための発電機です。特にBCP(事業継続計画)の観点から注目され、停電時にも業務を継続し、企業の信頼性を維持するために活用されます。

防災用・保安用

防災用と保安用の両方の機能を兼ね備えた発電機もあります。このタイプは区別を設けず、非常時に必要な電力を幅広く供給できる点で汎用性が高く、幅広い施設で採用されています。

非常用発電機の選び方

非常用発電機を導入する際は、施設の特性や利用目的に応じて複数の要素を検討する必要があります。最後に、非常用発電機の選び方における重要なポイントについて解説します。

  • 施設の規模
  • 使用する電気設備
  • 設置場所
  • 原動機の種類
  • 燃料の種類

非常用発電機の導入では、これらの条件を踏まえ、専門業者と相談しながら最適な設備を選定することが求められます。

施設の規模

施設の規模に応じて、必要な発電機の出力は変わります。導入にあたっては、専門業者と相談しながら最適な規模を決定することが重要です。

使用する電気設備

稼働させる電気設備に必要な電力量を算出し、それに見合った容量を持つ発電機を選びます。ただし、容量が大きいほど費用も増加するため、過剰な規模を避けることも大切です。

たとえば、保安用照明の容量は停電時に最低限必要な電灯設備の30%程度が目安とされています。

設置場所

発電機の設置は騒音規制への対応が欠かせません。特定施設に分類される設備は地域ごとの規制基準を満たす必要があり、無指定区域であっても周辺環境に配慮した防音対策を講じることが望まれます。

原動機の種類

ガスタービン式かディーゼルエンジン式かによって特徴が異なります。

ディーゼル式は経済性が高く短時間で始動でき、数10〜300kVA規模の設備に適しています。一方、ガスタービン式は振動が少なく冷却水を必要とせず、中・大容量の発電機として導入が増えています。

用途に応じて最適な方式を選択しましょう。

燃料の種類

使用可能な燃料も方式によって異なるため、非常時に確保しやすい燃料を基準に検討することが重要です。

まとめ

非常用発電機は、災害や停電時に電力を確保し、安全な避難や事業継続を実現するために欠かせない設備です。その構成は原動機・発電機・ラジエータを中心に、機種によってはバッテリや燃料タンク、消音器を備え、安定した稼働を支えています。

方式としてはディーゼル式、ガスタービン式、ハイブリッド式があり、それぞれエネルギー変換の仕組みや特性が異なるため、導入時には施設規模や用途、設置環境に応じて適切に選択することが求められます。非常用発電機は単なる予備電源ではなく、防災・保安の両面で社会や事業を支える存在であることを理解し、計画的に導入を進めることが重要です。

小川電機では、非常用発電機の導入をサポートしています。詳細なご相談や無料見積もりをご希望の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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