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キュービクルは、商業施設や工場、病院など、電力を大量に使用する施設にとって欠かせない設備です。その導入により、大規模な施設でも効率的かつ安全に電力を利用することが可能になります。

オフィスビルでも広く導入され、日常的な経済活動を支えています。しかし、キュービクルが設置されていないオフィスもあり、その理由は設置義務の有無に関わっています。オフィスビルを運営するにあたり、キュービクルの設置義務を理解しておくことは不可欠です。

さらに、設置環境に適したキュービクルの選定や、近隣施設への配慮も重要なポイントです。これらの知識が不足していると、設置許可が得られない、設備が早期に故障するなど、さまざまなリスクが高まります。

今回は、キュービクルの設置義務と、オフィスビルに導入する際の選定基準や注意点について解説します。

キュービクルの概要

キュービクルを適切に設置するためには、まずその基本的な定義と役割を理解することが重要です。ここでは、キュービクルがどのような設備であり、どのように機能するのかについて解説します。

キュービクルとは

キュービクルは正式には「キュービクル式高圧受電設備」と呼ばれ、高圧電力を受け取るための電気設備です。外観は金属製の箱型で、内部には受電機器や保護装置、計測装置などが組み込まれています。

この外箱は、風雨やその他の外的要因から内部機器を保護し、作業員が誤って接触するリスクを防止します。元々は外箱のみを指していましたが、現在ではその内部機器を含めた設備全体を指すのが一般的です。

キュービクルは、工場、病院、オフィスビルなど、電力消費の多い施設に設置されています。高圧電気を扱うため、専用の電気室やフェンスなどで、関係者以外が誤って接触しないよう安全が確保されています。

キュービクルの役割

キュービクルの主な役割は、施設に送られる高電圧の電流を、使用可能な安全な電圧に降圧することです。

発電所から供給される電力は、変電所を経由して約6,600Vの高電圧で施設に送られます。これは、送電時に発生するエネルギー損失(ジュール熱など)を最小限に抑えるためです。

しかし、一般的な電気設備ではこの高電圧をそのまま使用することができません。そこで、6,600Vの高電圧を100Vや200Vの利用可能な電圧に降圧する「高圧受電設備」、すなわちキュービクルが必要となります。

キュービクルは、施設内での電力利用を支える重要な設備です。

キュービクルの設置義務

オフィスビルを運営するうえで、まず確認すべきなのはキュービクルを含む高圧受電設備の設置義務があるかどうかです。ここでは、その条件について整理します。

結論として、契約電力が50kW以上の事業者にはキュービクルの設置が義務付けられています。契約電力とは、電力会社との契約で設定される最大需要電力を指し、つまり施設で同時に使用できる最大の電力量を意味します。

電力契約は契約電力50kWを境に、低圧受電契約と高圧受電契約に分けられます。それぞれの特徴は次のとおりです。

主な電力契約の形態

契約形態

低圧受電契約

高圧受電契約

契約電力

50kW未満

50~2,000kW未満

供給電圧

100Vまたは200V

約6,600V

受電設備の要否

不要(柱上変圧器を使用)

電気料金

高価

安価

適用先の例

一般家庭、小規模店舗など

オフィスビル、工場、病院など

低圧受電契約では、電柱に設置された柱上変圧器で6,600Vから100Vまたは200Vに変圧されるため、そのまま使用できます。この柱上変圧器は電力会社の設備であり、利用料金が含まれるため契約料金は割高になります。

一方で、高圧受電契約では約6,600Vの電力が直接供給されるため、施設側で受電・変圧を行う必要があり、必然的にキュービクルが必要となります。

つまり、契約電力が50kW以上であれば、施設は高電圧を受電することになり、一般の電気設備では扱えないため、キュービクルの設置が不可欠です。導入を検討する際は、まず需要電力を正確に算出し、設置義務の有無を確認することが重要です。

キュービクルを選択する際のポイント

キュービクルを導入する際には、施設規模や設置環境を踏まえ、最適な種類を選ぶことが欠かせません。誤った選定は、コスト増大や安全性の低下につながるため注意が必要です。ここでは、特に重要となる次の3つの視点を解説します。

  • 使用電力とキュービクルの容量
  • 設置場所の大きさ
  • 設置場所の環境条件

使用電力とキュービクルの容量

キュービクルは、内蔵する変圧器の定格容量に基づき、処理できる電力量が決まっています。容量が不足すると設備が同時稼働できず、過負荷状態では過電流による故障や、最悪の場合は停電・火災を招く危険もあります。

一方で、必要以上に大きな容量を選ぶと余計な設備費用が発生します。そのため、施設の実際の消費電力に見合った容量を選定することが必要です。

設置場所の大きさ

キュービクルは容量に比例してサイズも大きくなるため、設置スペースに適合するかどうかを事前に確認することが重要です。また、設置基準として法令・条例で離隔距離が定められており、次のように区分されます。

屋内・屋外でのキュービクル設置基準

設置場所

屋内

屋外

準拠法・条例

消防法

火災予防条例

目的

安全な作業スペースの確保

延焼による火災拡大の抑止

離隔距離

・操作する面:0.6m以上・点検を行う面:扉幅(※1)+保安上有効な距離(※2)・換気口がある面:0.2m以上

・周囲の建物から:3m以上・金属箱の周囲:1m+保安上有効な距離

※1:扉幅が1m未満の場合は、1m以上を確保する必要があります。

※2:保安上有効な距離とは、人員の移動や作業に支障がない最小限のスペースを指します。

屋内設置の場合は面ごとに離隔距離が変わるため、レイアウト時には向きにも配慮する必要があります。屋外設置の場合は延焼防止の観点から建物との距離を3m以上空けることが求められます。

もし基準を満たすスペースが確保できない場合は、所轄消防署が認定した「推奨キュービクル(※3)」を採用することで一部基準が緩和される可能性もあります。

※3:所轄消防署が定める「火災予防上支障がないと認める構造を有するキュービクル式変電設備の基準」を満たすと認められたキュービクルです。

推奨キュービクルについて詳しく知りたい方はこちら:

設置場所の環境条件

キュービクルは設置環境に応じて仕様が大きく異なるため、屋内設置か屋外設置かを見極めることが重要です。ここでは、それぞれの特徴と留意点を整理します。

屋内用キュービクル

屋内用キュービクルは、専用の電気室や換気設備を確保できる場合に適しています。外装は風雨の影響を受けないため簡易で軽量なモデルが中心で、本体価格は比較的安価です。

ただし、安全に運用するためには施錠管理や監視体制の整備が不可欠であり、さらに機器の発熱を逃がす換気設備も必要です。そのため、導入コストは本体価格だけでは判断できず、建築費や設備費を含めた総額では屋外設置より高くなるケースもあります。

導入を検討する際は、室内スペースの確保や建屋改修の必要性も含めて総合的に判断することが求められます。

屋外用キュービクル

屋内に十分なスペースが確保できない場合には、防水や防獣構造を備えた屋外用キュービクルが選ばれます。

屋外設置の利点は、建物内部を圧迫せずレイアウトを大きく変更せずに導入できる点です。一方で、雨水や塩害、小動物の侵入を防ぐため外装は防水・防錆仕様となり、さらにフェンスや鍵付きゲートでの物理的な保護も必要です。

これにより重量やコストが増し、屋内用より導入費用が高くなる傾向があります。また、海岸部や重工業地帯向けには耐候性・耐塩害性能を強化した特殊仕様も用意されていますが、長期利用に適する反面コスト上昇に注意が必要です。

屋内用・屋外用キュービクルそれぞれの特徴

キュービクルの種類

屋内用

屋外用

構造

簡易かつ軽量

厳重かつ高重量

メリット

・本体価格が安価・気候の影響を受けない

・屋内スペースを圧迫しない・既存レイアウトを大きく変えずに設置可能

デメリット

・専用室や換気設備が必要・建築費や設備費がかさむ・室内スペースを圧迫する

・気候の影響を受ける・本体価格が高価・特殊環境ではさらに高コスト

結論として、屋内に十分なスペースがある場合は屋内用、そうでない場合は屋外用を選ぶのが基本です。ただし導入コストは本体価格だけではなく建築費や設備費も含めた総額で検討すべきであり、最終判断は専門の電気工事業者に相談するのが安心です。

オフィスビルでのキュービクル設置時・運用時の注意点

オフィスビルにキュービクルを設置する際は、立地条件や周辺環境への影響を考慮することが欠かせません。特にビルは住宅地や他の建物に隣接している場合が多く、人の出入りも多いため、安全性や景観への配慮が求められます。また、自治体によっては設置場所や外観に関する規制があるため、導入前に都市計画や条例の内容を確認することが重要です。

ここでは、オフィスビルでの設置・運用における注意点として「必要な対策」と「都市計画・条例による制限」について解説します。

必要な対策

オフィスビルでのキュービクル運用にあたって必要な対策は、主に以下の2点です。

  • 騒音対策
  • セキュリティ対策

騒音対策

キュービクルには変圧器や冷却ファンが搭載されており、稼働時には常に運転音が発生します。無対策では周辺環境に影響し、騒音トラブルに発展する恐れがあります。

これを防ぐには、低騒音型変圧器を備えたモデルを採用する、または遮音壁や防音パネルを設置するといった対策が有効です。

セキュリティ対策

オフィスビルは利用者が多いため、誤ってキュービクルに接触するリスクが常に存在します。十分なセキュリティ対策を怠ると感電や火災といった重大事故につながりかねません。

屋内設置では、電気室を施錠し関係者以外の立ち入りを禁止することが基本です。さらに、警告表示を明確に設置することで事故を未然に防げます。屋外設置の場合も、フェンスや施錠管理に加え、警告表示を徹底することが求められます。

都市計画・条例による制限

都市計画や自治体の条例によっては、景観保護や防災の観点から設置基準が定められている場合があります。たとえば、屋外設置を禁止したり、外観デザインを規制したりするケースです。これらを確認せずに設置を進めると、許可が下りず運用計画に支障をきたす可能性があります。

自治体ごとの制限の具体例を3つ紹介します。制限内容は自治体ごとに異なり、ビル運営計画に大きな影響を与える可能性があります。設置を検討する際は必ず景観条例や防災条例を確認し、必要に応じて地元の消防署や電気工事業者に相談すると安心です。

①東京都港区

目的:

  • 高級住宅地や商業地の景観保護

制限内容:

  • 屋外設置の場合は周囲の建物と調和した外観であること
  • 高さ・色彩・材質・設置位置に関する審査が必要
  • 通行人から見える位置では植栽やフェンスで目隠し措置を行うこと

②京都市

目的:

  • 伝統的建造物群保存地区の景観保護

制限内容:

  • 屋外設置は原則不可、屋内または地下設置を推奨
  • 屋外に設置する場合は木目調や漆喰調の外装仕上げが必須

③横浜市

目的:

  • 低地における電気設備の浸水リスク低減

制限内容:

  • 地盤面から1.5m以上の高さに設置すること
  • 浸水区域では地下設置を禁止

まとめ

キュービクルは、オフィスビルにおける電力供給を安定させ、日々の業務や生産活動を支える不可欠な設備です。特に契約電力が50kW以上の事業者は高圧受電契約となり、約6,600Vで受電するため、必然的にキュービクルの設置が義務となります。したがって、まずは需要電力を把握し、設置義務の有無を確認することが出発点となります。

さらに、導入にあたっては施設規模に適した容量を備えているか、設置スペースが確保できるか、屋内外の環境条件に合致しているかを慎重に検討する必要があります。特に設置基準は消防法や火災予防条例などで細かく定められており、法令・条例に適合することは前提条件です。また、周辺住民や利用者への配慮も欠かせず、低騒音型変圧器や防音パネルの活用による騒音対策、施錠や警告表示といったセキュリティ対策を徹底することが、安全で円滑な運用につながります。

加えて、都市計画や地域の条例によっては景観や防災の観点から外観や設置場所が制限される場合があります。そのため、事前に自治体や消防署に確認を行い、条件に合致した形で計画を進めることが重要です。

このように、キュービクルの設置には電力契約、設置基準、周辺環境、地域規制といった多岐にわたる要素を総合的に判断する必要があります。専門的な知識が不可欠であるため、実績豊富な業者と連携し、設計から施工、さらには保守まで一貫して対応してもらうことで、リスクを抑えながら最適な電力インフラを構築することが可能です。

小川電機株式会社は60年以上にわたって、キュービクルの新設からメンテナンス、トラブル対応まで幅広くサポートしてきました。安心・安全な設備導入を実現するための信頼できるパートナーとして、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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