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キュービクルの安全運用には、外的要因からの保護や定期的なメンテナンスが欠かせません。その中でも、落雷による故障は深刻なリスクとなり、施設の安全性やコストに大きな影響を与える可能性があります。落雷対策を十分に理解し、事前に適切な対策を講じておくことが重要です。

今回は、商業施設や工場、オフィスビルなどで使用されるキュービクルの落雷対策機器である「キュービクル用高圧避雷器」に焦点を当て、その役割、設置しないリスク、導入時の注意点についてわかりやすく解説します。

キュービクルの基礎知識

キュービクルは、電力供給において非常に重要な役割を担う設備です。その定義と役割を理解することで、高圧避雷器の重要性もより深く認識できます。ここでは、キュービクルの概要とその必要性について詳しく解説します。

キュービクルとは

キュービクル(正式名称:キュービクル式高圧受電設備)は、高圧の電力を受けるための電気設備の一種です。

その外観は金属製の箱型で、中には受電機器、保護装置、計測装置などが組み込まれています。この外箱は風雨などから機器を守ると同時に、作業員の誤接触を防ぐ役割も果たします。「キュービクル」という言葉は元々この外箱を指していましたが、現在では設備全体を指すことが一般的です。

キュービクルは、主に工場、病院、オフィスビルなど、大量の電力を消費する施設に設置されます。これは、契約電力が50kWを超える事業者に対して、高圧受電設備の設置が法的に義務付けられているためです。

キュービクルの役割

キュービクルの主な役割は、高電圧で送られてくる電力を、安全に使用できる電圧に変換することです。

具体的には、発電所で作られた電力は、変電所を経由して約6,600Vの高電圧で施設まで送電されます。高圧で送る理由は、送電中に生じるエネルギー損失(ジュール熱など)を最小限に抑えるためです。

しかし、このままの高圧では、一般の電気設備では使用できません。そのため、6,600Vの高圧を100Vまたは200Vといった利用可能な電圧に降圧する「高圧受電設備」、すなわちキュービクルが必要となります。これは、電力の使用において欠かせない極めて重要な設備です。

キュービクル用高圧避雷器とは

キュービクル用高圧避雷器は、キュービクルを落雷から保護するための重要な機器です。落雷は、キュービクルを含む電気設備に多大なリスクをもたらし、事故を引き起こす原因となることがあります。そのため、落雷による影響を理解し、高圧避雷器の役割を知ることが、設備を守るために不可欠です。

ここでは、落雷がキュービクルに与える影響と、高圧避雷器がどのように役立つかについて解説します。これにより、避雷器の重要性がより深く理解できるでしょう。

落雷によるキュービクルへの影響

落雷は、瞬間的に非常に高い電圧(1億ボルト級)が地上に伝わる現象です。直接落雷する場合だけでなく、近くに落雷があった場合でも、周辺の設備や人に大きな被害を及ぼす可能性があります。

特に、電気設備は落雷に非常に敏感です。落雷によって、電気回路に瞬間的な高電圧・大電流が流れ、機器の耐圧性能を超えて故障することがあります。こうした現象は「雷サージ」と呼ばれ、落雷の種類に応じた3つのパターンがあります。

  • 直撃雷
  • 誘導雷
  • 逆流雷

直撃雷

直撃雷とは、機器や施設に直接雷が落ちる現象です。直撃雷が発生すると、その膨大なエネルギーが機器や施設に直接影響を与え、深刻な損傷を引き起こすことになります。また、電柱に落ちた雷が近隣施設にもエネルギーを流し込むことがあります。

雷が多い地域では、直撃雷に備えて避雷針を設置することが一般的ですが、完全に回避することはできません。そのため、機器や施設の保護には、避雷針だけでなく、高圧避雷器や追加の保護回路が必要です。

誘導雷

誘導雷は、直撃雷以外の雷サージが周囲の機器に影響を与える現象です。雷が近くの送電線や施設に落ちると、強力な電磁場が形成され、周囲の機器に誘導電流が発生します。これを誘導雷と呼びます。

誘導雷は直撃雷よりも発生頻度が高く、影響範囲も広いです。誘導雷による電圧は数十kVにも達し、キュービクルを破壊するには十分な電圧です。誘導雷を含む落雷対策をしっかり行うことが、設備を長期間安全に運用するために重要です。

逆流雷

逆流雷は、落雷によって地面に流れた電流がアースから機器に侵入する現象です。通常、電気設備にはアース線が設置され、異常電圧を地面に逃がして保護します。しかし、雷が落ちた際、地面に流れた電流がアース線を通じて機器に侵入することがあります。

逆流雷によるサージは直撃雷や誘導雷ほど大きな規模にはなりませんが、それでも機器に異常なダメージを与える可能性があります。逆流雷のリスクも考慮して、適切な対策を施すことが求められます。

キュービクル用高圧避雷器の役割

キュービクル用高圧避雷器は、侵入した雷サージをアースに放電し、キュービクルの健全性を保護する役割を果たします。

キュービクルはJIS規格(C4620)に基づいて設計され、耐電圧値を満たす絶縁強度を持っています。しかし、落雷によってこの耐電圧を超える高電圧が加わると、絶縁処理された経路に電流が流れてしまい、これを「絶縁破壊」と呼びます。一度絶縁破壊が起こると、元の状態には戻らず、キュービクルが故障し、最悪の場合は系統全体の事故につながることもあります。

高圧避雷器は、このような事態を防ぐために設置されており、過電圧を放電して定格電圧(8,400V※)に低減する役割を担います。また、続流を短時間で遮断し、設備が元の状態に復帰するように働きかけます。

キュービクル用高圧避雷器を設置することで、落雷によって過電圧が加わった際にも即座にアース放電および続流遮断を行い、キュービクルの故障リスクを低減します。特に、落雷が頻繁な地域では、その効果を実感できることでしょう。

※:6.6kVキュービクル用高圧避雷器のJIS規格(C4608)に基づき定められた定格電圧

キュービクル用高圧避雷器を設置しない場合のリスク

キュービクル用高圧避雷器は、落雷などの雷サージからキュービクルを保護する重要な設備です。確かに、設置にはコストがかかりますが、設置しないことで生じるリスクは無視できません。ここでは、避雷器を設置しないことによるリスクについて解説します。

  • 落雷時の機器故障
  • 回路の開閉時の機器故障

これらのリスクは、いずれもサージによってキュービクルが故障する可能性を示しています。発生頻度は高くはないものの、万が一発生すると、キュービクルやその周辺機器に与える影響は非常に大きいです。

確かに高圧避雷器の導入にはコストがかかりますが、機器が故障すれば、その損害は導入コストを上回る可能性が高いです。また、長期的に見れば、キュービクルの安全性を維持するために高圧避雷器はむしろ経済的に有益です。

落雷時の機器故障

落雷によってキュービクル内に雷サージが流入すると、避雷器がなければ過電圧を低減したり、続流を遮断したりすることができません。この状態が続くと、キュービクル内で絶縁破壊が発生し、故障につながります。

また、キュービクル本体だけでなく、接続された他の機器も雷サージの影響を受けることになります。キュービクルを保護することは、他の機器を守ることにもつながるのです。

回路の開閉時の機器故障

高圧避雷器は、落雷時だけでなく、回路の開閉時にもキュービクルを守ります。

サージは落雷時に限らず、回路の開閉時にも発生します。これを「スイッチングサージ」と呼びます。スイッチングサージは雷サージに比べて低電圧ですが、発生頻度が高く、場合によっては機器故障を引き起こすほどの電圧に達することもあります。

キュービクル用高圧避雷器を設置する際の注意点

キュービクル用高圧避雷器は、キュービクルを落雷から保護するために不可欠な機器ですが、設置時には注意すべき点があります。最後に、高圧避雷器を設置する際の重要な注意点について解説します。

  • 接地工事が必要となる
  • 定期的なメンテナンスが必要となる

接地工事が必要となる

過電圧をアースに放電するため、キュービクル用高圧避雷器の設置には接地工事が不可欠です。この接地工事は、電気設備技術基準に基づき、A種接地工事として分類されます。A種接地工事の基準は次のとおりです。

【A種接地工事の基準】

工事種類

接地線の仕様

接地抵抗値

接地極

種接地工事

・引張強さ1.04kN以上の容易に腐食し難い金属線・直径2.6mm以上の軟銅線

10Ω以下

・地下75cm以上の深さに埋設・接地極を鉄柱その他の金属体に近接する場合、鉄柱その他の金属体の底面から30cm以上の深さに埋設、もしくは地中で金属体から1m以上離して埋設

重要なのは、「接地抵抗値」です。接地抵抗値が高いと、接地極の電位が大きくなり、高圧避雷器と接地極の電位差が小さくなります。この状態では、避雷器から接地極への放電が難しくなり、キュービクルの保護機能が低下します。

規定値を満たすことはもちろん重要ですが、できる限り接地抵抗値を小さく保つことで、避雷器の効果を最大化できます。接地抵抗値の目標については、工事業者と十分に相談して決定しましょう。

定期的なメンテナンスが必要となる

キュービクル用高圧避雷器は、時間とともに劣化し性能が低下します。劣化したままで使用すると、落雷時に過電圧を適切に放電できず、キュービクルを保護できなくなります。定期的に避雷器の状態を確認し、適切なタイミングで交換することが非常に重要です。

一般的に、高圧避雷器の交換時期は10~15年とされていますが、使用環境によってそのタイミングは変動します。定期的なメンテナンスを欠かさず、交換時期を逃さないようにすることが、キュービクルの長期的な安全運用に欠かせません。

まとめ

キュービクル用高圧避雷器は、落雷や回路の開閉によって発生する過電圧からキュービクルを保護するために不可欠な機器です。高圧避雷器が設置されていなければ、落雷や回路の開閉時に過電圧が機器に加わり、絶縁破壊が起こることでキュービクルの故障リスクが増加します。

高圧避雷器の設置には一定のコストがかかりますが、長期的に見れば機器の故障リスクを低減し、施設全体の安全性を確保するために十分に経済的な投資と言えるでしょう。

また、高圧避雷器を設置する際には、アースに過電圧を放電するための接地工事が必要です。この工事は、電気設備技術基準に基づき、A種接地工事の規定を満たす必要があります。接地抵抗値を可能な限り低く保つことが、高圧避雷器の効果を最大化するために重要です。

さらに、注意すべき点は、高圧避雷器も他の電気設備同様に経年劣化し、その性能が低下することです。そのため、定期的なメンテナンスと交換時期の把握が非常に重要です。定期的に避雷器の状態をチェックし、適切なタイミングで交換を行うことが、キュービクルを長期間、安全に使用し続けるための鍵となります。

60年以上の歴史を誇る小川電機株式会社では、キュービクルの新規設置から修理・点検まで迅速に対応でき、トラブル発生時にはワンストップで解決することが可能です。キュービクル用高圧避雷器の設置についても深い知識と豊富な経験を有しており、信頼できるパートナーとして最適な設置計画を提案します。

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