この記事ではキュービクル交換にかかる費用、工事中の騒音・停電や部品ごとの交換について、申込から設置完了までのスケジュールを詳しくまとめています。
長年キュービクルを扱ってきた実績のある小川電機株式会社の前田さん(一級電気施工管理技士)に、「キュービクルの交換について事業者が知っておくべきこと」というテーマで話を伺い、プロの目線からご回答頂いた内容を記事にしています。
キュービクルの交換を検討している事業者の方、新たにキュービクルを導入することになった方にご一読いただきたい内容です。
目次
キュービクルの交換時期とは
キュービクル本体の交換時期は、部材の耐用年数である8~15年が目安です。
耐用年数を超えての使用は、電力の余計な消費につながるだけでなく、キュービクルの故障や事故の原因にもなります。
定期的にキュービクル本体を交換することで、漏電や火災などの事故を未然に防ぐことが大切です。
キュービクル本体を交換するメリット
長年キュービクルを扱ってきた小川電機の技術者である前田さんにお聞きした、キュービクル本体を交換するメリットについてまとめました。
波及事故を防ぐ
メリットの1つ目は、キュービクルの老朽化による「波及事故」を防げることです。
波及事故とはキュービクル(高圧変電設備)で起きた漏電などの事故の影響で近隣の施設の電気設備を停電させてしまう事故のことをいいます。
万が一、お客様が保有しているキュービクルで事故が発生した場合は、事業者の自己責任となるため賠償責任が発生する場合もあります。

波及事故を防ぐためにも、古くなった部品の交換や保守点検、計画的なメンテナンスを行うことが大切です。
省エネ効果
部材が老朽化すると受電効率が落ちるため、新品に交換することで無駄な電力使用を抑えることができ、省エネにつながるケースもあります。
旧JIS品の油入変圧計の基準負荷のエネルギー消費率は2000年以前が2450wなのに対し、2014年以降の現基準品では1250w。交換により約50%の省エネにつながることがわかります。

キュービクル本体の交換にかかる費用と期間
キュービクル本体を交換する場合、かかる費用は初期費用(本体価格と設置費用)です。
キュービクル初期費用の目安
規模 | 施設例 | 本体価格 |
---|---|---|
100kw | コンビニ、小規模店舗 | 200万円前後 |
200kw | 中規模店舗、小規模工場 | 350~450万円 |
300kw | 中規模工場、スーパーマーケット | 550~650万円 |
500kw | テナントビル(大規模)、製造工場、病院 | 1000~1200万円 |
キュービクルの初期費用は上記の表のとおりです。
また設置費用に関しては、お店の構造や立地など設置する場所によって異なりますので、お問合せフォームからご相談いただければ詳しい費用をお見積り致します。
かかる期間
小川電機にご依頼いただいた場合、交換にかかる期間はおよそ3ヶ月ほどです。キュービクル本体の図面製作で1ヶ月~1ヶ月半ほど、設置工事に2ヶ月ほどかかります。
キュービクル本体の交換、設置までの流れ
見積もりを依頼する業者によって多少の違いはありますが、小川電機社に見積もりをいただいた場合のスケジュールは上記です。
現場調査をした上で内訳と見積もり費用をお客様にご提案。打ち合わせ内容に合意していただけたら工事日程を決定という流れになります。
交換工事中の騒音、停電について
交換工事中の騒音は、通常の工事現場と同等レベルです。搬入時の運搬車両音やドリル音などが発生します。
停電期間は一般的に1~2日が目安になります。営業時間を避け、できるだけ休業中の土日に作業することが多いです。土日も営業している店舗の場合は、事前に休業告知ができるように3ヶ月から半年前に作業日を確定させておきます。

キュービクルを部材ごとに交換することはできるか
ここからは、キュービクル本体の交換ではなく部材ごとに交換することができるのかについてまとめています。
交換できる部材、できない部材
技術的には、どの部材であっても交換することは可能です。
しかし、あまりにも小さい部材のみの交換は請け負ってくれないケースが多いです。
小川電機の場合、トランス、UGS(高圧キャビネット)、LBS(高圧交流負荷開閉器)、PAS(気中負荷開閉器)に関しては、交換対応を受け付けております。
交換にかかる期間
交換にかかる期間は、部材によってまちまちです。翌日交換できるものもあれば、数週間かかるものもあります。
交換までの流れ
現場調査をした上で交換が必要な部材を選定します。内訳と見積もり費用をお客様にご提案し内容に合意していただけたら工事日程を決定という流れになります。
キュービクル交換、設置に関する補助金制度について
キュービクル本体に対しての補助金はありません。しかし、キュービクル内部の「変圧器」をトップランナー基準を満たす高効率変圧器を導入することで補助金の活用が可能になります。
トップランナー基準とは、より省エネになる製品を事業者に使用してもらうために国が定めている基準のことです。
高効率変圧器に変更することで、待機電力や稼働時のロスといった電力損失が減少、省エネ・省CO2化が可能になるため補助金制度が設けられているのです。
「小川電機株式会社」について
今回取材にご協力頂いた小川電機株式会社は、設立から50年以上続く電材総合商社です。
キュービクルをはじめ様々なオフィス家電、マンション大型家電など、全国に強い流通ネットワークを持っています。
会社名 | 小川電機株式会社 |
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会社設立 | 1963年(昭和38年)3月21日 |
事業内容 | 電設資材・住設機器・家電製品の総合卸商社 |
所在地 | 大阪本社:〒545-0021 大阪府大阪市阿倍野区阪南町2丁目2番4号 東京支社:〒108-0023 東京都港区芝浦2-15-16 田町KSビル2F 他多数 |
資本金 | 90,000,000円 |
代表者 | 代表取締役会長 小川 能理夫 代表取締役社長 小川 雄大 |
従業員 | 365名(グループ計) |
ホームページ | https://www.ogawa.co.jp/ |
「電気施工管理技師」「電気工事士」など社員の専門資格取得も積極的に推進しており、キュービクルに関しては国内トップクラスの知見を持つ企業です。
中古キュービクルの設置を検討されている、選び方に不安をお持ちの方はぜひ一度小川電機にご相談ください。
この記事の監修者:前田恭宏さん
氏名 | 前田恭宏 |
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経歴 | 小川電機勤務歴35年。年間15~20基、過去5年で100基以上のキュービクル取扱実績有り。1級電気施工管理技士。 |
まとめ
キュービクルを交換する目安は、おおよそ8~15年です。
波及事故を防ぐために耐用年数ごとの交換は必要です。長い目で見れば省エネ効果にもつながるので電気代を安く抑えたい方にも交換はおすすめです。
小川電機ではキュービクルの交換工事はもちろん、設置を検討している方のご相談も無料で受け付けております。
キュービクルに関して何かご不明点があれば一度お気軽にご連絡ください。