エコキュートの日頃のメンテンスはどのようにしていますか?エコキュートは導入費用が高く、高い買い物のように感じてしまいがちですが、約1年以上お使いいただくと導入時資金との価格差も解消され、日々の光熱費を抑えてくれるなどのメリットも大きくなります。
上記のようなメリットからも長く使っていきたいエコキュートですが、その寿命は約10年前後と言われています。しかし、この期間は定期的なメンテナンスを行っていた場合です。もしメンテナンスをしていなければエコキュートの寿命も短くなってしまいます。
大がかりなメンテナンスや修理は専門の業者でないとできないケースもありますが、水抜きをするだけでもエコキュートの寿命を伸ばすことは可能です。
自分でできるメンテナンスはどれも慣れてしまえば簡単なものばかりなので安心です。今回は、水抜きをしないとどうなってしまうのか、水抜きの手順、自分でできその他のメンテナンスの手順、エコキュートの寿命を延ばすためにできることを解説していきます。
目次
エコキュートの仕組み
エコキュートは、ヒートポンプと貯湯ユニットからなる設備です。空気の熱を上手に活用するので、電気エネルギーの3倍以上の熱エネルギーを得ることができます。
その時に使用する水には混合物が溶けており長い間に溶出・沈殿したり、水垢などが溜まっていきます。
混合物が溶出・沈殿したり、水垢などが溜まったりしてくると回路関係の部分などは徐々に故障しやすくなってきます。
長く付き合っていくためにも定期的なメンテナンスが必要です。
エコキュートの水抜きをしないとどうなる?
不純物が溜まる
エコキュートは水やお湯が入っているだけなのでそこまで汚れることはないのではないか、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、水道水には様々な不純物が含まれているのでエコキュートを長く使用していると、その不純物がタンク内に溜まってきてしまいます。
タンク内の汚れがお風呂場に
水道水に混ざった不純物がタンク内に溜まり、そのお湯をお風呂にも使用している場合、お風呂のフィルターに汚れが詰まってしまったり、浴槽内に浮いてきたりしてしまう恐れがあります。
浴槽内に汚れなどが浮いてしまったことによってタンク内に不純物が溜まってることに気づく場合もあるようです。
また、浴槽内に青い線のようなものができることがありますが、それは銅配管などから微量に溶出した銅イオンが湯あかや石けんなどと反応して、不溶性の青い銅石けんとなって付着したもので、身体に害はありません。
台所用の専用洗剤をスポンジにつけてこすれば除去できます。
風呂配管の汚れ
水道水に混ざった不純物がタンク内に溜まり、そのお湯をお風呂にも使用している場合、不純物が浴槽内に浮いてきてしまい配管も汚れている可能性があります。
浴槽に黒い粉のようなものが溜まる
エコキュートを長期間使用していると、配管に使用されているパッキンが劣化し黒い粉のようなものが浴槽の底に溜まっていることに、入浴の際気がつくことがあります。
そのような場合、パッキンの交換もしくは、すでに約10年前後使っているのであればエコキュートの寿命の可能性もありますので買い替えの時期が来ているのかもしれません。
エコキュートの寿命が短かくなる
タンクに溜まった不純物やお風呂のフィルターに詰まった汚れや風呂配管洗浄などエコキュートのメンテナンスを行わないと徐々に状態が悪くなり最終的にはエコキュートの寿命を短くしてしまいます。
エコキュートの寿命と言われている約10年前後は定期的なメンテナンスを行っていた場合の期間であり、メンテナンスを行わなければ寿命は短くなってしまいます。
また、入浴剤で固形物タイプのものやとろみがあるタイプのものなど、さまざまなものが販売されていますが、エコキュートと相性の悪い入浴剤を使用してしまうとダメージを受けて故障の原因になってしまいます。
エコキュートのメーカーや機種によって使用できる入浴剤は変わりますので確認してから使用しましょう。
水抜きの手順
ここでは、水抜きのメンテナンス方法を解説していきます。メーカーによって多少手順は変わりますが、一般的な手順をご紹介します。
①まず、タンク内の給水を止めるために給水配管専用止水栓を閉じ、貯湯タンクにある空気の取り入れ口を開くために逃し弁を開けます。
②排水口から汚れを排水するために排水栓を約2分ほど開け、汚れが出なくなったら排水栓を閉じます。
③止水栓を開き、タンク内がいっぱいになるまで給水します。溢れた水は排水口から排水されます。
④排水口から水が出たら逃し弁を閉めて、完了です。
基本的には年に2~3回程度、排水栓を開けて1~2分間程度水抜きメンテナンスをすることで、長くお使いいただくことができます。
自身で行えるタンクのメンテナンスはここまでですので、何度も水抜きをしているけれども汚れが落ちないなど気になることがある場合は、専門の清掃業者に点検を依頼しましょう。
エコキュートの寿命を伸ばす為にできること
ここでは自分でできる水抜き以外のメンテナンス方法とメンテナンス以外で寿命を延ばすためにできることをご紹介します。自分でできるメンテナンスが増えることでエコキュートの寿命を延ばすことができます。
風呂配管洗浄と浴槽フィルター
エコキュートを長期間使用して不純物などにより汚れてしまった配管は、洗浄剤を使用し配管洗浄をしましょう。
洗浄剤は、ジョンソン株式会社ジャバ(一つ穴用)などメーカに指定されているものを使うようにしましょう。
また、配管洗浄はメーカーによって若干の違いはありますが約半年に1回程の頻度で行うことを推奨しています。
また、不純物が原因で浴槽のフィルターが詰まってしまう場合があります。そのような場合は、フィルターを取り外して水洗いしましょう。こちらは1週間に1回程を目安に行うことを推奨しています。
逃し弁の動作確認点検
逃し弁は、沸き上げ時にタンク内の膨張水を排出し、タンク内が高圧になるのを防ぎます。逃し弁のレバーを上げてタンク排水管からお湯または水が出ることを確認してください。
逃し弁レバーを上げて、排水口からお湯または水が排水されることを確認したら、逃し弁レバーを戻す動作確認をしましょう。
※メーカーや機種により工程が変わる場合がありますので詳しくは説明書をご覧ください。
漏電ブレーカーの点検
点検口のカバーをネジを緩めて開けて漏電遮断器のテストボタンを押します。電源レバーが「切」表記になっていれば正常です。電源レバーを「入」に戻して、完了です。
※メーカや機種により工程が変わる場合がありますので詳しくは説明書をご覧ください。
外観やリモコンの手入れ
中の構造のメンテナンスはもちろん必要なことですが、見た目やリモコンの綺麗さを保つことも、長くエコキュートを使うために大切です。
リモコンの表面が汚れた場合は、乾いた布もしくはしっかりと絞った布で拭いてください。汚れが落ちにくい時は台所用中性洗剤を薄めたものを含ませてから拭くと落ちやすくなります。
※水洗い、台所用中性洗剤以外の洗剤はリモコンの変色や変形の原因になりますので使用しないでください。気持ちよく使うためにエコキュートの外観を綺麗に保ちましょう。
専門の清掃業者に依頼
長期間メンテナンスをしていなかった場合や自分でできるメンテナンスを試したり、何回タンク内の水抜きをしても調子が戻らずおかしい場合は、専門の清掃業者に清掃を依頼したり購入したメーカーに問い合わせたりしてみるのもひとつの方法です。
また、エコキュートを10年近く使用している場合は、エコキュートの寿命ということも考えられますので専門の業者に依頼して清掃を頼むなど検討しましょう。あるいは修理をするより新しいものを買ったほうが安く済み、簡単という場合もあります。
メンテナンス以外で寿命を延ばすためにできること
長期の旅行など長期間エコキュートを使用しない場合は、エコキュートの電源を切りましょう。冬の時期は凍結してしまう恐れがあるため、稼働させておくほうが凍結を防ぐことができます。
1か月以上エコキュートを使用しない場合は貯湯タンクのお湯をすべて排水しましょう。
吸込口や吹出口を塞がないようにするためヒートポンプの周辺に物を置かないようにしましょう。
正しい使い方でエコキュートは10年以上もつ
今回は、エコキュートの水抜きをしないとどうなってしまうのか、水抜きの手順、エコキュートの寿命を延ばすためにできることを解説してきました。
使い続けているとタンク内や回路関係部分などが汚れてきてしまったり、故障しやすくなってしまいます。
タンク内の水抜き、風呂配管洗浄、浴槽フィルターを洗ったり等、慣れてしまえばどれも比較的簡単にできる作業です。
エコキュートは年数回程の定期的なメンテナンスを行い、丁寧に扱うことによって約10年以上お使いいただくことができます。
購入したエコキュートには長期間頑張ってもらいたいと思うものです。ぜひ、本記事を参考にしていただきエコキュートの定期的なメンテナンスを行ってみてください。